1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550400
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
綾 日出教 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60010675)
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Keywords | 嫌気性消化 / 膜分離反応槽 / 中空糸膜 / 汚泥処理 / 相分離嫌気性消化 / メタン発酵 / 精密ろ過膜 / 限外ろ過膜 |
Research Abstract |
当初の研究目的であった二相分離嫌気性消化に膜分離を組合せる方法よりも単相の膜分離消化には著しく優れた特徴があることが判明した。初年度は、容積3lのガラス瓶を反応槽とし、ホットプレ-ト付きマグネッティックスタ-ラ-で加温・撹した。マグネッティクスタ-ラ-で駆動する径75mmの膜モジュ-ルに限外ろ過膜を着装し、反応槽の混合液を吸引により分離、濃縮液を返送した。基質は実際の下水汚泥を使用し、1日1回投入した。次年度は、物質収支を測定するため反応槽容積を5lとし、モジュ-ルの径を150mmに増やした。最終年度では、反応槽をプラスチック製とし、機械撹拌に変更した。膜は中空糸とし、ポンプで強制的に循環した。この結果、長期間安定した運転が可能になった。実験結果は以下の通りである。(1)メタン発酵が正常に行なわれている時の膜透過液のCODは200mg/L以下である。(2)MLSS濃度は負荷を増すと増加し、40,000mg/L以上に達する。(3)MLSS中の有機物の比率は60%程度で変化せず、灰分の蓄積は全く見られない。(4)MLSSの自己分解速度は非常に遅い。(5)下水汚泥を投入した後、有機酸濃度は4〜5時間後にピ-クに達しから減少し、12時間後には変化しなくなる。このため、1日2回汚泥を投入しても支障はない。(6)汚泥中の固形物の加水分解速度は非常に遅い。(7)精密ろ過膜と限外ろ過膜間の処理水質の差はなく、高分子量物質は排除されている。(8)メタン発酵が不調になると負荷を下げても回復には数週間かかる。 膜分離により微生物のウォッシュアウトを皆無にすると、増殖と自己分解が平衡になる反応系が達成できる。透過液に脱離する有機物は投入量の1%以下であり、ほぼ完全にガス化される。また、汚泥中に30%以上存在する灰分も溶解し全く蓄積しない。容積負荷が小さい欠点はあるものの、廃棄物処理がほとんど必要がなくなる。
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[Publications] Kohno,H: "Laboratory Ultrafiltration Membrane Module for Membrane Separated Bioreactor" Water Pollution Research and Control KYOTO,JULY 29ーAUGUST 3.703-706 (1990)
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[Publications] Aya,H: "Complete Digestion of Sewage Sludge by Membrane Seporated Methare Fermentation" Water Pollution Research and Control. 691-694 (1990)