1988 Fiscal Year Annual Research Report
古典的シェル理論の理論的再検討とそれに基づく新安定性解析法の研究
Project/Area Number |
63550420
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
角野 晃二 日本大学, 生産工学部, 教授 (70058585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 和男 日本大学, 生産工学部, 助手 (80130615)
小沢 善隆 日本大学, 生産工学部, 助教授 (00096794)
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Keywords | シェル理論 / 安定性 / 非線型振動 / 座屈 |
Research Abstract |
筆者らは準静的外力下の弾性薄殻において、静的不安定ばかりでなく動的不安定も起こり得ることを解析的に示してきた。よく知られている様に、材料線形、幾何学的非線形3次元弾性一般論においては保存外力下の平衡状態に生じる不安定は静的不安定に限られ、動的不安定が生じないことが証明される。数学的には、線形化安定方程式が自己随伴性を満たすことを意味している。そして殻理論はそれが如何なる方法によって導かれたものであれ、3次元弾性論の2次元化近似であることに変わりないので、上述の性質は当然保存されるべきである。しかし、従来、解析に用いられた基礎方程式系、特にVlassov系のものに上述の条件を満足していないものが多い。非保存外力下の殻の安定性を検討する上で、まず上述の条件を満足する矛盾のない基礎方程式を整備することが重要であると考える。本研究で、以下に示す制約条件(I)、(II)の基で数段階の基礎方程式系の簡略化を行い古典的シェル理論の再検討を行った。(I)中央面方線のまわりのrorationを無視する。(II)薄殻として、表面外力は直線中央面に作用するものとし表面の応力連続条件を無視する。上述の(I)、(II)の制約条件の下で(1)Transverse shearを考慮にいれた方程式系(2)Sanders型の方程式系(3)Vlassov型の方程式系を示した。次にこれらの方程式系に基づいて、非保存外力の作用する円筒殻、球形殻の問題の解析を行うためGalerkin法、差分法を適用し、差分法の有効性を示した。また非線形微分方程式系に対する差分法による解析プログラムの開発を行い、十分な精度の得られることを確認した。またこれらの研究をもとに、非線形動的問題に対する差分法の適用を試み、これらの問題に対しても差分法が有効であることを示した。以上により線形固有値安定性解析だけでなく、非線形安定性解析が行える様になり、従来の解析のflutter領域で、複雑なlimit cycleを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Koji SUMINO.: Theretical and Applied Mechanics. 37. (1989)
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[Publications] Kazuo MITSUI.・Koji SUMINO.: Theoretical and Applied Mechanics. 37. (1989)
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[Publications] Koji SUMINO.: Bulltin of IASS.