1988 Fiscal Year Annual Research Report
柱脚および耐震壁脚部の力学モデル特性に基づくRC架構の地震応答と終局耐力
Project/Area Number |
63550423
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
洪 忠憙 明治大学, 工学部, 教授 (10061904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 利治 明治大学, 工学部, 助手 (80159491)
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Keywords | 耐震設計 / RC構造 / 地震応答 / 終局耐力 / 曲げ降伏型 / 終局設計 / 弾塑性解析 |
Research Abstract |
RC架構の耐震設計においては、強震時における終局耐力、変形の安定性(粘り)を保証することが、重要視されている。一方、架構の望ましい降伏機構として、梁曲げ降伏型のモードが推奨され、これを基本としてRC構造の解析法、終局設計法の体系が発展してきている。しかし、RC架構の終局状態での崩壊は、柱脚、耐震壁脚部の力学特性に依存している事実も注目せざるを得ない。この柱脚、耐震壁脚部の力学モデル表現の提案(柔域変断面法モデルと呼ぶ)を基本として、RC架構の静力学的な終局耐力、地震応答性状を踏まえた架構終局挙動の評価・検討を目的とした研究を行った。 RC架構の弾塑性挙動の基本となる各部材モデル(既に提案されている材端弾塑性ばねモデル、重ねばりモデル、柔性パラボラモデル、片持ち結合ばりモデル等と本研究で提案している柔域変断面法モデル)の比較検討を行い、既往の実験データと各部材モデルとの対応を調べた。さらに、架構の力学特性を検討するために、この柔域変断面法モデルを用いて、柱脚曲げモーメント、層間変形角に関する弾塑性増分三項方程式を誘導した。これにより、フレーム架構、壁架構の応力、変形、塑性化順序、メカニズム、耐力等の静力学挙動の特徴を検討した結果を以下に要約する。 1.柔域変断面法モデルは、梁、柱、壁部材のひび割れ、降伏の進展を考慮している。既往の各モデルと比較検討し、下層部の柱、壁部材への適応性が特に良好なことを示した。 2.架構が全体崩壊メカニズムを確保するための柱・梁強度比について検討し、中高層フレーム架構では1.3程度必要であることがわかった。 3.各種地震荷重分布下での架構の増分解析を行い、柱脚、壁脚部の強度特性と架構のメカニズム、終局耐力との関連を現在追跡中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 荒川利治: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 911-912 (1988)
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[Publications] 田村正: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 913-914 (1988)
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[Publications] 荒川利治: 昭和63年度日本建築学会関東支部研究報告集. 125-128 (1988)
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[Publications] 田村正: 昭和63年度日本建築学会関東支部研究報告集. 129-132 (1988)