1989 Fiscal Year Annual Research Report
弾性相似模型を用いたRC超高煙突の渦励振に関する研究
Project/Area Number |
63550424
|
Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
田村 幸雄 東京工芸大学, 工学部, 教授 (70163699)
|
Keywords | 風洞実験 / 弾性模型 / 相似条件 / 鉄筋コンクリ-ト / 渦励振 / レイノズル数 / ストロ-ハル数 / 抗力係数 |
Research Abstract |
前年度に得られた成果に基づき、実在する200m超高RC煙突の弾性相似模型を作成した。エポキシン樹脂、硬化剤、鉄粉、炭酸カルシウムを適当に配合することにより、密度が鉄筋コンクリ-トに一致し、ヤング率が鉄筋コンクリ-トの約半分である弾性材料が得られる。ラフに鋳型で成形した円筒をNC旋盤で切削して、板厚、テイパ-等ほぼ正確に縮尺1/300である幾何学的相似模型を作り出した。インパルスハンマ法により、固有振動数および固有振動モ-ドを測定した結果、三次モ-ドまで、ほぼ実物煙突の値に対応することが確認された。減衰定数は風洞床下で支持する架台を剛にすることで、実物煙突の値よりやや大きめであるが、ほぼ近い値とすることができた。風洞模型と実物煙突で一致させることができないのはレイノズル数であるが、これは予め行った表面粗さの実験によって平均風圧分布、抗力係数、ストロ-ハル数が最も実物煙突の高レイノズル数での値に近くなるものを確かめ、これを上記弾性模型の表面に付加することで擬似的に満足させた。この模型の頂部加速度、脚部歪を風洞実験によって計測したところ、風洞風速の範囲で渦励振による共振現象が実現できることが確認された。頂部加速度の風洞実験結果と実物煙突で実測された値と比較すると、渦励振の共振風速が実測結果よりも高風速側にシフトしており、表面粗さの付加だけでは高レイノズル数領域での現象を模擬できないものと思われた。最大加速度の値は、減衰定数が若干大きかったせいか、実測結果よりわずかに小さい値となったが、ほぼ一致するものと言える。
|
-
[Publications] Yukio TAMURA,Isao NISHIMURA: "Elastic Model fo Reinforced Concrete Chimney for Wind Tunnel Testing" Jouranal of Wind Engineering(日本風工学会誌). No.37. 395-400 (1988)
-
[Publications] Yukio TAMURA,Isao NISHIMURA: "Elastic Model fo Reinforced Concrete Chimney for Wind Tunnel Testing" Proceedings of the International Colloquium on Bluff Body Aerodynamics and Its Applications(Elsevier). (1990)