1988 Fiscal Year Annual Research Report
集住体デザイン手法創発に向けてのコーポラティブ住宅評価の研究
Project/Area Number |
63550441
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
延藤 安弘 熊本大学, 工学部, 助教授 (30026116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 俊祐 熊本大学, 工学部, 助手 (50182712)
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Keywords | コーポラティブ住宅 / 集住体 / 住み手参加 / 住イメージ / 相互作用 / 価値づくりの計画 |
Research Abstract |
コーポラティブ住宅の最も秀れた典型であるユーコートの居住者調査及び設計者調査により、次のことが明らかとなった。住み手参加型集住体計画においては、生活と空間、人間と住環境の間の相互作用の視点が姿を現わしつつある。相互作用とは、人間と空間の対応関係の時系列過程において、空間によって生活の内容や人間の意識が影響をうけ変化することに加えて、時に応じて、人間が空間に影響を及ぼし改変することを指し、人間・空間系生成のコンテクストを共にする転換の事である。 参加型住宅計画には、第一に、つくる過程で住み手と設計者(設計図)との間に相互作用が生じる。そこでは単純なプランの変遷ではなく、住み手の住むことへのイメージの増殖によって計画に質的輝度をおびることになる。第2に、それは建設後の生活過程で実際の空間と住み手の間に相互作用が生起する。そこでは、空間が生活にインパクトを与えつつ、人間が空間を愛着をもて使いこなし管理しつつ、必要に応じて更新し空間に新しい価値を付与していく。 住み手の価値意識の形成・把握の過程も計画に含めるならば、これは、計画前に諸要求を総合的に集約する「型の規定」の計画ではなく、生活者それぞれの価値や目標自体を創造的に発生させる「価値づくり」の計画と呼ぶべきである。 住み手参加の計画は、住み手同士、および住み手と設計者の人格的コミュニケーション・相互作用が生成し、その中で、価値の諸形態が生成する。その価値生成が、空間形態と生活形態の新しい像に反映する。住み手集団と設計者集団が計画において張りつめた絶え間なき相互作用の状態を持続できる時に価値づくりの計画が進行する。コーポラティブ住宅には、そのことの可能性が顕現しつつある。
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Research Products
(2 results)