1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550443
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嘉納 成男 早稲田大学, 理工学部建築学科, 教授 (60112992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 恭 早稲田大学, 理工学部建築学科, 教授 (70063279)
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Keywords | 建築工事 / 工期 / 工程計画 |
Research Abstract |
本年度は2年間の研究期間の第1年度として、建築工事における工期算定の方法論について検討を加えるとともに、建設会社に対して工期の調査を行った。 (1)建築工事における工期算定の方法論 工期を求めるためには、詳細工程表を作成するとともに日程計画をネットワーク手法を用いて行うことが出来る。しかし、この方法には時間と多大なマンパワーが必要であるため、計画の初期段階では適切な方法とは云えない。 このため、建築物の設計概要のデータについて求める方法論を考究した。工期算定モデルは数学モデルを用いることとし、過去に実施された工事の工期データに基づき回帰分析を行い、実状に合ったモデルを作成することが可能であることを理論的に検討した。 (2)工事データの収集と整理 上記の回帰分析について基づく工期算定モデルの作成を目的として、建設大手20社の工事現場について調査を実施した。調査の結果355件の有効な工事物件についてのデータを収集することが出来た。これらのデータは主として関東及び関西地域の建築物を対象としており、事務所建築物及び集合住宅が全体の2/3を占めている。建築物の概要設計データとその工程及び工期に関するデータとの相関分析の結果に基づいて、工期に影響を与える要因を抽出し、重回帰分析を試みた。その結果、工期の算定には地上階、地下階、延面積、基準階面積等が強い相関を有していることが明らかとなった。又、これらには若干ではあるが、対数的に関係し合っていることも判った。この結果に基づいて作成した工期算定モデルの精度は約10%内外となり、初期段階の計画では充分に機能することを検証した。
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