1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550444
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
荒木 兵一郎 関西大学, 工学部, 教授 (00067547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 啓 関西大学, 工学部, 助手 (50140249)
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Keywords | 精神薄弱者 / 痴呆性老人 / 探索歩行 / 視覚情報注視 / アイマ-ク / バリアフリ-デザイン / 歩行空間 |
Research Abstract |
本年度計画は、(1)経路上にバリアがある場合の探索歩行行動の観察、(2)実験の歩行環境(直線通路と交差点)のスライドと8ミリ映画を提示した場合の注視点分布状況、(3)アイカメラ装着のまま探索経路歩行をした場合の注視点分布状況の検討、および(4)3年度にわたる研究の最終年度にあたるので、そのまとめをすることである。 (1)バリアがある場合の探索歩行行動の観察については廊下内にロ-プ、スクリ-ン、通行止めサインなどのバリアを設置し、これらへの対処状況を観察している。被験者は精神薄弱者施設1施設と痴呆性老人施設1施設の入居者である。サインによるバリアはほとんどの被験者に無視されてしまって有効ではないが、その他のバリアでは約半数が規制条件に従った行動をしている。 (2)直線通路スライド3場面と交差点付近の8ミリ映画3本を提示して、そのどの部分に注視が分布するかをみる実験を実施し、精神薄弱者7名、痴呆性老人7名、健常者10名について資料を得ている。前年度までの提示図に比べると情報量が増加しており、分析が困難となっているが、情報量が増加すると当然のことながら注視部分は広がり、障害者では歩行中に注視することが必要な信号や標識なども見落としがちとなっている。 (3)アイマ-クカメラを装着したままバリアのある経路を歩行する実験は、精神薄弱者10名と痴呆薄弱者10名を対象に実施している。しかし、これの成果は研究デ-タの解析に困難な部分があり、未発表である。 (4)研究のまとめについては空間認識の観点から総括的に論じるとともに、痴呆性老人施設のみについてではあるが施設内歩行空間の形成状況について15施設を調査して検討している。障害が重くなればなるほど、歩行空間に制限が加えられる実態を明らかにしている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 足立 啓: "Eye Fixation in the Demented Elderly" Technology Reports of Kansai University. 32. 217-224 (1990)
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[Publications] 川西 俊久: "精神薄弱者の施設内経路探索歩行に関する研究" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E. 655-656 (1990)
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[Publications] 横山 友一: "痴呆性老人と精神薄弱者の視覚情報探索行動について その5 直線通路画像における注視状況" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E. 647-648 (1990)
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[Publications] 赤木 徹: "痴呆性老人と精神薄弱者の視覚情報探索行動について その6 交差点画像に対する注視状況" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E. 649-650 (1990)
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[Publications] 松田 伸之: "痴呆性老人と精神薄弱者の視覚情報探索行動について その7 痴呆性老人の直線経路歩行における注視状況" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E. 651-652 (1990)
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[Publications] 荒木 兵一郎: "施設内痴呆性老人の探索歩行 その2 階移動を伴う場合" 日本老年社会科学会研究報告集. 32. 35 (1990)
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[Publications] 荒木 兵一郎(分担): "「子供・老人・障害者にとっての空間とは」(5)痴呆性老人と精神薄弱者の空間認識" 日本建築学会, 86 (1990)
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[Publications] 足立 啓(分担): "「Psychogeriatics/Biomedical and Social Advance」Japanese Care Environment for Pemential Elderly Dersons in Nursing Homes" Excerpta Medica, 350 (1990)