1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550458
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
斎藤 徳美 岩手大学, 工学部, 助教授 (20113855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 七郎 岩手大学, 工学部, 教授 (00003830)
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Keywords | 物理探査 / 地熱微動 / トリパタイト法 / 到来方向 / 地熱貯留層 |
Research Abstract |
八幡平東部地域の松川温泉・藤七温泉・八幡平アスピ-テライを含む広範囲な地域で約250点の1点3成分観測を実施し、当地域の微動特性を明らかにすると共に、2〜5Hzのやや高周波成分が見出された松川温泉〜藤七温泉間の4ヶ所の固定観測点でトリパタイト観測を実施した。3台の地震計間の波の時間遅れが、基準とした地震計間隔20〜30mでは0.001秒オ-ダ-であることが判明したので、地震計・増幅器の特性およびフィルタ-の位相差等計測・解析システムの精度向上を図り解析を行った。その結果、以下のようなことが明らかになった。 1.八幡平東部地域においては、松川地熱発電所が稼働している松川温泉周辺および人口密集地である松尾村中心部を除外すると、松川温泉〜藤七温泉間で見い出された2〜5Hzの振動が地熱活動との関連において注目された。 2.4ヶ所の固定点における振幅は夜間に比して昼間で大きく、3および5Hzの成分の の到来方向はほぼ一定の方向を示し、当時行われていた北の又発電所の工事に関連する振動が伝播してきたものと考えられる。 3.4ヶ所の固定観測点における夜間での波の到来方向は一定方向に集中せず、しかも見掛速度が1000〜4000m/secと速いことから、地下深部からの実体波とみなされる。当区域の地下深所には中温熱水の貯留層の存在が推測されており、夜間に捕えられた振動は地熱貯留層に関連する可能性のあることが示唆された。 4.適切な観測・解析システムを用いることにより、トリパタイト観測で微動の到来方向・見掛位相速度を把握できることが示された。今後他地域での解析例を蓄積することにより、地熱微動法の実技上の有効性の検討が深められるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 斎藤徳美,佐藤七郎: "粒子軌道法による葛根田地熱地域の微動の到来方向" 日本地熱学会平成元年度学術講演会講演要旨集. B21 (1989)
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[Publications] 斎藤徳美,佐藤七郎,石川淳一: "パ-ソナルコンピュ-タによる微動解析システム" 岩手大学工学部研究報告. 42. 67-81 (1989)