1988 Fiscal Year Annual Research Report
地殻中の熱水の物理化学的条件に関する応用地質学的研究
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63550461
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 寿久祢 東京大学, 工学部, 教授 (30010739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 博彰 東京大学, 工学部, 助手 (90010892)
正路 徹也 東京大学, 工学部, 助教授 (40011093)
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Keywords | 流体包有物 / ガス分析 / 地熱系 / 浅成金鉱床の流体包有物ガス組成 / 深成鉱床の流体包有物ガス組成 |
Research Abstract |
鉱物中の流体包有物は地殻中の熱水を包蔵した結晶中の微小空洞で、量は極めて限られているが、熱水の物理化学的性質に関する多種の情報を提供するものであり、これまで主として鉱床学・鉱山地質学の分野で研究されていたが、地殻中の水およびガスが関与する種々の地質現象の研究に欠くことのできない研究分野となりつつある。従来の流体包有物の研究は主として熱水の温度や塩濃度の推定であったが、本研究では流体包有物中のガスの定量分布を行い、その結果から各種鉱床の生成における熱水の酸化還元条件を推定することを目的とし、流体包有物からのガス抽出方法、ガスクロマトグラフによる流体包有物のガス分析の定量性、各鉱床型間の熱水ガス組成の相違,同一鉱床内におけるガス組成の時間的・空間的変化などの検討を進めた。研究試料は現在の熱水活動系である地熱帯、過去の熱水活動系である珪化体、浅成金銀鉱床、深成金鉱床、深成錫、タングステン鉱床などから採集した。分析試料には主として石英を用いたが、含まれる流体包有物のサイズ、数により2〜3gを真空系中で500℃、5分間加熱して流体包有物を破裂させ、水とガスを分離して回収し、分析に供した。一般に、浅成金銀鉱床では熱水中の全ガス濃度は低く1モル%以下のものが多く、CO_2含有量も低い傾向が認められるが、深成金・錫・タングステン鉱床では熱水中の全ガス濃度は高く10モル%に達するものもあり、主要ガス成分としてCO_2が圧倒的に高い傾向が認められた。地熱帯については、現熱水系の分析されたガス濃度と流体包有物の分析結果とを比較検討した。気液2相共存を仮定してH_2O、CO_2、CH_4、系平衡から求めたH_2濃度は、現地熱熱水系と流体包有物から求めた値がほぼ等しいことが判明した。今後は、流体包有物のガス分析値から被圧熱水のH_2濃度算出法を検討する必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 武内寿久祢: 日本地熱学会誌. 10. 321-338 (1988)
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[Publications] Sukune,TAKENOUCHI: Proc.7th IAGOD Symp.(Lulea). (1988)
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[Publications] Sukune,TAKENOUCHI: Jour.Geochemical Exploration. (1889)