1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550486
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70143386)
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Keywords | 赤外分光法 / 振動回転スペクトル / 温度測定 / 一酸化炭素ガス |
Research Abstract |
振動一回転スペクトルは、分子のエネルギー準位間の遷移によるものである。これらの遷移によるエネルギーの吸収は、遷移確率が一定であるとすると、各エネルギー準位に存在する分子数に比例する。理想挙動を仮定すれば、ある回転エネルギー準位Ejにある分子数は、Ejにおける重なり(2J+1)を考慮した平衡分布数から計算可能である。 Nj/No=(2J+1)exp{-BJ(J+1)/KT}・・・(1)B:回転定数(h/800π^2CI) k:Boltzmann定数 T:絶対温度 J:回転エネルギー準位 温度Tのみの関数であるこの理論的な平衡分布数を念頭におき、実測したスペクトルと温度の関係を用いて評価した。 測定装置は、電気炉、水冷プローブと赤外ファイバ、集光用レンズからなるセンサ部、フーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR)を組合わせて構成した。水冷プローブを高温(1000〜1550℃)炉内に挿入し、赤外光を先端部のレンズ(ZnSe:直径6mm 焦点距離8mm)によってファイバ(KRS-5:外径1mm 全長1700mm)端面に集光する。集光した赤外光をファイバによって分光器に導き、赤外線吸収スペクトルの測定を行った。また測定対象とするガスは、アルミナボール(直径5mm)を充填した管の中を通して十分予熱した。当年度の結果をまとめれば、(1)スペクトルの強度比とガス温度の関係:COガスの振動回転スペクトルの長波長側の2箇所の強度比In(j10/j20)をとり、温度との関係を調べた。強度比は温度の関数になるが、CO分圧依存性があるので、強度比から温度を知るためには、CO濃度を測定する必要があることがわかった。(2)スペクトルのピーク高さをとる方法:CO分圧0.1で測定したスペクトルのピーク高さ(2119cm^<-1>付近)と温度との関係を調べた。吸光度のピークは、温度が上昇するにつれて直線的に減少することがわかった。
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Research Products
(1 results)