1989 Fiscal Year Annual Research Report
焼結紘を構成する各鉱物相の還元過程の解明と反応モデルの開発
Project/Area Number |
63550494
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
碓井 建夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (90029348)
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Keywords | 製銑 / 焼結紘 / 還元 / 反応モデル / 酸化鉄 / カルシウムフェライト / 化学反応速度定数 / 有効拡散係数 |
Research Abstract |
1.450°Cから1100°Cまでの各種温度において各種濃度のCOーCO_2ーN_2混合ガスを用いて、約5gの実機焼結紘単一粒子を段階ごとに還元し、還元曲線あるいは部分還元試料を得た。試料断面の顕微鏡観察、EPMA分析あるいは試料粉末のX線回折を行った。ヘマタイトからマグネタイトへの還元段階においてカルシウムフェライトは760°C以上では還元されたが710°C以下では還元されなかった。 2.450〜800°Cの温度範囲で、約0.5gの粒子10個一組で5gとした試料を、ガス比率CO/(CO+CO_2)=0.2一定のもとでCOーCO_2ーN_2混合ガスにより等温還元し、ヘマタイトからマグネタイトへの還元段階の到達還元率Ffを求めた。引き続きガス比率一定のままで、もとの設定温度から、900°Cまで昇温し、充分還元して最終還元率Ff′を求めた。上記1項の結果とFf、Ff′値から判断して、カルシウムフェライトが還元されはじめるのは730°Cからであり、カルシウムフェライトが還元されない場合の被還元酸素量は、還元される場合の約70%(Ff=0.7)となること、より詳細に見ると低温ほど還元されにくく、Ff/Ff′=7.7×10^<-4>Tー0.04(T:絶対温度)と表されることを明らかにした。 3.上記1項で述べた単一粒子の還元デ-タについて、2項の結果を考慮して被還元酸素量を修正し、一界面未反応核モデルによる解析を行った。得られた化学反応速度定数と有効拡散係数の温度依存式を作成し、これを用いた計算還元曲線は、ばらつきの大きい実測還元曲線を大概よく表していることを示した。
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[Publications] Tateo Usui: "Change of Sinter Minerals and Reーexamination of Method of Kinetic Analysis on the Rate of Its Stepwise Reduction with COーCO_2ーN_2 Gas Mixture" Proceedings of the 6th International Iron and Steel Congress,Nagoya(1990年10月),日本鉄鋼協会. (1990)