1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550503
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
関根 和喜 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40017934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 治 関東学院大学, 工学部, 助教授 (40110712)
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Keywords | 形状記憶合金 / 銅合金 / 集合組織 / 熱間圧延 / 結晶回転 |
Research Abstract |
銅基形状記憶合金は安価であるが、疲労強度特性が悪く実用上の障害となっている。そこで、この合金の集合組織をコントロ-ルし、各結晶粒の方位を整えたシャ-プな集合組織を得ることによって、これを改善しようとするのが本研究の目的である。まず、β相銅基合金(bcc構造)を対象に、任意の塑性加工を与えたときに発達する変形集合組織を予測する理論の定式化とその計算機シミュレ-ション・プログラムの開発を試みた。多結晶体の各結晶粒に指定される変形テンソル成分のいくつかの束縛が弱められるという「Relaxed Taylorモデル」にもどづく結晶回転を求める問題を、制約付きの非線最適化問題を考え、回転テンソルφjiを一義的に求め得る数学的技法の定式化と、それにもとづく集合組織予測計算機プログラムの開発に成功した。開発したプログラムは任意の塑性加工パラメ-タを入力すれば、極点図の形で出力できるものであり、銅基形状記憶合金の集合組織制御を行う上での重要な情報を提供するものであることが確認された。 本研究では、つぎに、12%Al、5%NiおよびMnとTiを少量含む銅基形状記憶合金のインゴットを作製し、これを600℃と900℃の熱間圧延を行ったときの集合組織発達過程をX線極点図を測定することによって詳細に検討した。その結果、600℃で熱延したさいに、高圧下率において比較的シャ-プな集合組織が得られ、粒破壊の防止に有効な整合粒界頻度が多少高い試料が得られることが判った。しかし鮮鋭な単一成分で構成されるような集合組織をもつ試片を作り出すプロセスに関しては明確な解明が得られなかった。
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