1988 Fiscal Year Annual Research Report
すべりを利用する冷間接合法の開発を背景にする異種金属間の摩擦に伴なう凝着の研究
Project/Area Number |
63550505
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
牧 清二郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20124315)
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Keywords | 接合 / 冷間接合 / 異種金属 / 摩擦 / 凝着 / 摩擦係数 |
Research Abstract |
初年度の本年度は、研究遂行上必要なピン・オン・ディスクタイプのすべり摩擦試験装置を、先ず、設計試作した。本装置は、一方の試料をピン(φ0.5)、他方をディスクとして摺動させ、種々の垂直荷重の負荷の下で摩擦力が測定できるようになっている。次いで、アルミニウム、銅、鉄、チタン、ニッケルの各純金属を試料に選び、本試験から得られる基本データ、すなわち摩擦係数の垂直応力依存性やその依存性における特異点について、凝着との関係を明らかにすべく一連の実験を行った。主に、変形抵抗が低く凝着を起こしやすいアルミニウムをピンとした系統的な試験から、結果として、つぎのような知見を得るとともに問題点が指摘された。 1.同じ摩擦条件でも、ディスク側材料によって摩擦力すなわち摩擦系数が異なる。すなわち、本試験により材料による凝着性の相違を十分に捉えられることが確認された。 2.凝着が起こる条件では摩擦係数は大きく変動し、同時にその平均値が増加することがわかった。すなわち横軸に垂直応力をとり、平均摩擦係数をプロットすると極大が現れる。 3.当初、連続的(ランプ状)に垂直荷重を変えて摩擦力を測定すれば、凝着がはじまる点を的確に捉えられるのではないかと考えたが、凝着が生じると摩擦力が大きく変動しはじめることから、垂直荷重の負荷はランプ状よりステップ状の方が都合がよいことがわかった。 4.試料表面の状態の摩擦係数への影響も少なくないこともわかった。したがって、信頼性の高いデータを得るには、試料の表面状態の影響を明らかにし、表面粗さを統一して試験する必要があると指摘された。 次年度は、このすべり摩擦試験についてさらに詳細に詰め、これから得られるデータとすべりを利用した接合結果とを対比して相関を調べる
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