1988 Fiscal Year Annual Research Report
減圧雰囲気中でのプラズマ溶射による急冷凝固AlーFe系合金バルク材の作製
Project/Area Number |
63550507
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 健児 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60112067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (10150351)
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Keywords | AlーFe系合金 / 急速凝固 / バルク材 / プラズマ溶射 |
Research Abstract |
AlーFe系合金の急速凝固材は約573Kまでの温度で高い比強度を持ち、航空機用の高温材料として注目されている。通常、この合金は急速凝固により得られた粉末や薄片をコンソリデートすることによってバルク材にされる。一方、溶射法は表面処理法として発達してきたが、著者らは減圧雰囲気中で合金粉末をプラズマ溶射すると緻密で厚い急速凝固材を直接作製できることを発表した。本研究ではこの方法をAlーFe系合金に適用して急速凝固バルク材を作り、その組織や高温硬さを調べた。 用いた粉末は粒径32〜53μmのAlー12.1wt%Feー2.0wt%VおよびAlー8.3wt%Feー2.1wt%Mo合金の粉末である。これらの粉末を裏面を水冷した回転する鉄基板上へ21KPaの減圧雰囲気中でプラズマ溶射した。溶射皮膜厚さは、それぞれの合金で約500μmおよび900μmである。 溶射皮膜の硬さは両合金ともに523〜573Kまでは比較的高い値を保つが、それよりも高温では急激に減少する。Alー12.1wt%Feー2.0wt%V合金ではasーSprayed状態で非常に微細な第2相が析出している。この合金の皮膜を573K以下で3600S焼鈍してもX線回折ではAl相の回折ピーク以外には極めてブロードなピークしか見られないが、625〜773Kで焼鈍すると準安定な金属間化合物であるAl6Fe相に対応する回折ピークが現われる。また、Al相の格子定数はasーSprayed状態では合金元素がAl相中に過飽和に固溶しているために小さいが、573Kw上で焼鈍すると増加して、純Alの格子定数に近い値となる。本溶射法でAlーFe系合金の急速凝固材作製が可能であることがわかった。
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Research Products
(2 results)