1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550518
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
丸山 公一 東北大学, 工学部, 助教授 (90108465)
|
Keywords | 金属間化合物 / 規則相 / 珪素鋼 / 破壊 / 加工性 / 塑性加工 |
Research Abstract |
機能材料・構造材料のいかんを問わず良好な特性を有する金属間化合物が数多く作り出されている。しかし、金属間化合物の多くは延性に乏しく、それが実用化を阻む原因となっている。本研究は、磁芯材料として有望なDO_3金属間化合物(6.5%珪素鋼)をとりあげ、その脆性破壊の原因を解明し、延性改善の指針を得ることを目的としている。 この材料では、室温から500℃の温度範囲、10^<-4>から10^<-1>/sの歪速度範囲における延性および脆性挙動は次の3つの領域に大別される。脆性領域:約300℃以下。延性領域:300℃以上で高歪速度。延性脆性混在領域:300℃以上で低歪速度。 延性と脆性領域の違いが生ずる原因を明らかにするために、き裂発生の様子を調べた。その結果、以下のことが明らかになった。脆性領域では粒界、粒内によらず多くの場所にき裂が発生する。そられの中には、大きな粒内へき開破壊へと発達するものがある。これに対して、延性領域では、変形不連続部など特殊な場所にしかき裂が発生せず、き裂は進展しない。この違いが2つの領域を分ける原因と考えれる。 前年度の研究の結果、この材料は本質的には塑性変形可能で、高歪速度ほどき裂発生が抑えられることが明らかになった。この予測を実証するために、材料が高速で変形する圧延で変形を行った。その結果、低速圧延ではき裂が生ずるが、高速圧延ではき裂を発生することなく塑性加工できることがわかり、予測が立証された。また473Kまで温度を下げても圧延可能であることが明らかになった。
|