1988 Fiscal Year Annual Research Report
準安定β合金の自発的アモルファス変態と物性に関する研究
Project/Area Number |
63550523
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 清 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70124542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
増本 健 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20005854)
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Keywords | アモルファス / 非晶質 / 準安定相 / 急冷 / 水焼き入れ / チタン合金 |
Research Abstract |
最近、水素吸蔵、金属多層膜の相互拡散、メカニカルアロイングなど固相反応によるアモルファス合金の作製が関心を集めている。本研究は従来の固相反応法と異なり金属原子の長距離の拡散をほとんど必要とせずに、過冷された準安定β合金を適当な条件下で熱処理してバルク状アモルファス合金を得ることを目的として計画されたものである。得られた主な結果は以下のように要約される。 レーザー法で急冷した後、熱処理でアモルファス相が得られることが知られているTi_<60>Cr_<40>合金を、Cuロールの回転数を変えて液体急冷し、冷却速度の異なる準安定β-Ti合金を作製した。この合金を真空中で、673K-873K、1〜100hrの条件下で熱処理し、その構造をX線回折で調べたが、アモルファス相の生成は認められなかった。これに対して、約2×2×5mmのTi_<60>Cr_<40>合金を真空中で1573Kに10min保持後、水焼き入れをし、次に真空中で873K、10hnの熱処理を施すことにより、バルク状のアモルファス合金を得ることができた。液体急冷した試料と水焼き入れした試料のX線回折図形を比較すると、前者の回折ピークが鋭いのに対し、後者のそれは幅広く、それゆえひずみが導入されていることが非晶質化に対して重要な役割を果たすことが示唆された。Ti-Cr合金のほかに水焼き入れした準安定β型Ti-MnとTi-Fe合金でアモルファス相が得られることが明らかになり、本方法が極めて限定されたものでなく、応用性の広いことが分かった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Aoki,T.Masumoto: Proc.of MRS Inter.Meeting on Advanced Mater.,japan,May 30-June 3,1988. (1989)