1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550527
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松浦 圭助 山形大学, 工学部, 教授 (00001157)
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Keywords | Al基複合材料 / 連続繊維強化 / 短繊維強化 / クリープ変形 / アルミナ繊維 / クリープ破壊 |
Research Abstract |
連続繊維アルミナおよび短繊維アルミナをほぼ一方向に配列したAl基複合材料についてクリープ試験を実施し、以下の成果を得た。 1.連続繊維強化複合材の場合、繊維配列方向のクリープ伸びが非常に小さい(約1%以下)ので、先ず試料伸びを正確に測定できる特別な伸び測定装置を試作し、これにより300°〜500°Cの温度範囲で正確なクリープ曲線を得るのに成功した。以下に主要な結果を記す。 (1)クリープ曲線等のクリープ挙動は応力に強く依存し、ある臨界応力(約500MPa)を境として低応力側と高応力側で大きく異なる。 (2)低応力側では、クリープ曲線はほとんど一次クリープのみを示し、クリープひずみはある一定値に飽和する傾向を示す。しかしこのときのクリープひずみは、繊維は弾性変形、母相は弾・塑性変形する場合に予想される最大ひずみよりも大きく、クリープ中繊維は弾性変形のみでなく弱い部分で破断を生じているか、あるいは繊維が引張軸方向に僅か傾いていることによりクリープひずみを生じたと考えられる。 (3)高応力の場合には、クリープ曲線は一次、二次、三次クリープの段階を示し、破壊に至る。このときのクリープ曲線は一般に滑らかでなく不規則な凹凸を示し、繊維の破断と母相のせん断変形と破壊によってクリープ変形が進行していることを示していた。 (4)クリープ破断後の破面観察によると、母相からの繊維の引き抜けの様子は少なく、繊維間の母相はせん断変形によって破壊していた。クリープ中個々の繊維の破断が生じ、隣接繊維へのき裂伝播か、または隣接母相にせん断変形を生じて巨視的破壊を生じたことが分かる。 2.短繊維強化複合材の場合には、クリープ変形は母相の変形に支配され、低応力域では三次クリープ、高応力域では一次、二次クリープがクリープ曲線の大部分を占め、連続繊維の場合と対称的であった。
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Research Products
(2 results)