1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550531
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 邦夫 東京大学, 工学部, 助教授 (20010803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 史江 東京大学, 工学部, 助手 (20114572)
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Keywords | 非晶質材料 / 酸化物 / セラミックス / 結晶化 / 結晶配向 / 結晶成長 |
Research Abstract |
本研究では、酸化物を急冷凝固により非晶質とした後熱処理によって結晶化させ、これによって生成する複合相セラミックスの組織を制御しようとしている。本年度は、強磁性相の晶出を期待してFeO-Fe2O3系を選び、これに非晶質形成能を与えかつ配向性成長を起こし易い化合物を形成する物質としてP205を加えた3元系について調べ以下の結果を得た。 ハンマー急冷法により、53.6P205-46.4Fe203、20P205-80FeO、42.1P205-57.9Fe203、26.8P205-48.8FeO-24.4Fe203、37.8P205-47.6FeO-14.6Fe203の各試料において非晶質を作製することに成功した。 系差熱分析により、これらの試料のガラス点移温度が773K〜828Kに、結晶化開始温度が813K〜863Kにあることを決定した。 X線回析により、結晶化熱処理によってFeO、Fe203、FePO4、Fe(PO3)2、Fe(PO3)3相および未同定相が晶出することを確認した。 光学顕微鏡観察により、上記の結晶相は一般には球晶を形成すること、温度勾配下の成長では表面からの方向性成長が起こり得ることが見いだされた。 方向性成長に伴って未同定相に結晶配向が形成されることが確認された。 今後は、系の組成と熱処理条件の選定を進め、強磁性相の配向性成長の実現を試みる。
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