1988 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルアロイング法による非晶質粒子分散合金の創製に関する研究
Project/Area Number |
63550542
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菅又 信 日本大学, 生産工学部, 助教授 (90059600)
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Keywords | メカニカルアロイング / 非晶質 / 合金粉末 / 金属間化合物 / 粉末冶金材料 |
Research Abstract |
メカニカルアロイング(MA)法によって、アルミニウム粉末中に非晶質化した金属間化合物粒子(TiAl_3、ZrAl_3、FeAl_3、NiAl_3)を微細かつ均一に分散させることを試みた。金属間化合物組成のアーク溶解ボタンを真空中で均質化処理した後、細かく砕いて粉末とした。純アルミニウム粉末に対して化合物粉末を10at%の割合で混合し、高エネルギーボールミル中で24時間のMA処理を行った。MA粉末中には細かく均一に化合物粒子が分散していた。 MA粉末は、化合物粒子の分散および繰り返し変形による加工硬化によって硬化する。その硬化量は、MA処理時間の経過とともに少なくなり10時間以上では硬化量がほぼ飽和した。 MA粉末中に分散している化合物粒子の非晶質化の確認は、X線回折測定によって行った。MA処理を続けると、いずれの金属間化合物の回折線強度も低くなり、24時間経過すると回折線が認められなくなることから、非晶質化が達成されたと判断した。 非晶質相の結晶化挙動は、示差走査熱分析によってしらべた。アルミニウム粉末中に分散している金属間化合物をフェノール法によって分離して試料とした。昇温速度を10℃/分として、室温から700℃まで加熱して、結晶化にともなう発熱反応を確認し結晶化温度を求めた。結晶化が終了する温度は、TiAl_3が610℃、ZrAl_3が455℃、FeAl_3が440℃、NiAl_3が305℃であった。 MA粉末を緻密化したP/M材の作製は、予備圧縮編成形とその後の熱間押出加工によって行った。熱間押出加工の加熱温度は、非晶質相粒子の結晶化温度以下とし、押出し比20で直径7mmの押出し材を得ることができた。
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