1988 Fiscal Year Annual Research Report
低気圧プラズマ溶射による導電性TiO_2皮膜電極形成とその光電極特性の解明
Project/Area Number |
63550548
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 明 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (50029229)
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Keywords | Eg(エネルギーギャップ) / N_D(ドナーデンシティー濃度) / U_<FB>(フラットバンド-ポテンシャル) / 光応答性 / TiO_2溶射皮膜 / 添加効果 |
Research Abstract |
本研究に使用した光電極TiO_2溶射皮膜はTiO_2粉末、TiO_2粉末と金属(Al、Ni)混合物およびTiO_2粉末と酸化物(Al_2O_3、Cr_2O_3、Y_2O_3)を大気中プラズマ溶射および低気圧プラズマ溶射により工業用純チタン板(15×25×3mm)上に溶射したそのままと熱処理を行ったものを用いた。 電流-電位特性(光電極特性)の測定装置は電解液(0.1N NaOH水溶液)、対極(Pt)、参照電極(飽和カロメル)で構成されている。光源としては400Wキセノンランプを使用した。実際の測定は電流ー電位特性を測定する電位走査法により行った。測定結果の記録はXーYレコーダとマイクロコンピュータを用いた。また光の強度はラジオメータにより測定し、単色光の照射は干渉フィルターを使用して行った。 得られた実験結果は次のようである。 1.光応答性は低気圧および水素雰囲気での溶射皮膜より大気圧下で溶射した皮膜の方が優れていることを示した。溶射皮膜を400℃での90分大気中熱処理したものの光応答性は溶射したままおよび溶射した皮膜を他の条件で熱処理したものより大きい値を示した。 2.U_<FB>(フラットバンドーポテンシャル)値は低気圧および水素雰囲気より大気圧下での溶射皮膜の場合が大きい値を示した。 3.Eg(エネルギーギャップ)値は低気圧および水素雰囲気より大気圧下で溶射した皮膜の場合より大きい値を示した。 4.添加物に従う溶射皮膜の光応答は酸化物添加(Al_2O_3,Cr_2O_3,Y_2O_3)の方が金属添加(Al,Ni)の場合より大きい値を示した。 5.光応答値はN_D(ドナーデンシティー濃度)に反比例し、U_<FB>(フラットバンドーポテンシャル)に比例し変化するのが認められ、N_Dの値は小さく、U_<FB>値は大きくなるように処理しなければならない。
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Research Products
(1 results)