1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550606
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Research Institution | OKAYAMA University |
Principal Investigator |
林 秀考 岡山大学, 工学部, 講師 (90164954)
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Keywords | 酸化物薄膜 / 高周波スパッタリング法 / 反応制御 / 表面電位 |
Research Abstract |
1.目的 化学反応装置内で担体に保持された触媒が溶融して液体状態となり担体と強い相互作用を示しながら機能を発現する例は多く見られる。このような触媒としての「機能」は、その表面に集中していると考えられるため、本研究では、触媒担体の表面を種々の方法で作成した酸化物薄膜で模擬した。そして、電気化学的な手法で薄膜上の電荷密度を制御あるいは計測しながら、触媒反応における液膜-担体相互作用の解明を試みた。 2.試料作成 スライドガラス基板上に、高周波スパッタリング法により厚さ100-5000ÅのAu薄膜を生成させた。この上に、反応性スパッタリング法(アルゴン+酸素雰囲気)、ゾル-ゲル法、溶融ガラスのディップコ-ティング法などによりアルミナ被膜、シリカ被膜を生成させ、電気化学測定用の試料とした。 3.結果および考察 前年度の研究おいて、溶液と接した酸化物薄膜の導電性が溶液pHなどによって変化し、界面領域の酸化物性質がバルクの酸化物とは異なることが示唆された。そこで、試料と基準電極(Ag/AgCl)を組合せて超電力を測定した。また、酸化物薄膜材料のゼ-タ電位を測定し、溶液に対する帯電状態を明らかにした。その結果、酸化物の種類によって同じpHに対して帯電状態が異なること、超電力の測定結果と帯電状態との間には相関がみられることが明らかになった。したがって、酸化物薄膜の基体金属と適当な基準電極との間に電圧を印加することにより触媒反応制御の可能性があると考えられる。
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