1989 Fiscal Year Annual Research Report
ビニル化合物類の電気化学的カルボキシル化に関する研究
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63550608
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
椚 章 徳島大学, 工学部, 教授 (20047062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安澤 幹人 徳島大学, 工学部, 助手 (70210250)
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Keywords | 電気化学的カルボキシル化 / 有機硫黄化合物 / 電解還元脱硫反応 / ビニルスルホキシド / ビニルスルホン / 二酸化炭素の固定化 |
Research Abstract |
1.β-(メチルスルフィニル)-β-(メチルチオ)スチレン(1)の電化学的カルボキシル化反応への電極材質(水銀、白金、鉛、カ-ボン)や支持電解質の種類の影響を調べた。その結果、電極材質や支持電解質の本質的な影響は認められなかったが、電解系は吸湿性の少ない系を選んだ方が高い収率でカルボキシル化物が得られることが分かった。 2.α、β-ビス(メチルスルホニル)スチレン(2)の電解還元反応と電気化学的カルボキシル化反応を調べた。その結果は有効なプロトンドナ-の存在下では、高収率でβ-(メチルスルホニル)スチレンを与え、また、二酸化炭素の存在下での電気化学的カルボキシル化は、化合物1の場合の様にα-(メチルスルホニル)ケイ皮酸が得られた。一般に、オレフィン類の電解還元によるカルボキシル化では、飽和脂肪酸が得られる。それに対して、本研究の様に不飽和脂肪酸が得られた事例は珍しく、大変興味ある結果である。また、この電解還元カルボキシル化反応はポ-ラログラフ的研究より、化合物1の場合と同様に、2の一電子還元で生成したアニオンラジカルの二酸化炭素への求核的攻撃と続く脱硫反応として特徴ずけられることも分かった。 3.α-メチルチオ-β、β-ビス(メチルスルホニル)スチレン及びビニルトリメチルシランはいずれも電気化学的に難還元性であることが分かった。そこで、二酸化炭素存在下で二酸化炭素の還元が起こる電位で電気化学的カルボキシル化を試みたが、カルボキシル化物は得られなかった。 4.電気化学的カルボキシル化反応を無隔膜セルで行うために、支持電解質としてシュウ酸リチウムを検討したが、DMFなどの溶媒には難溶性のため使用できなかった。現在アルキルアンモニウム塩の合成を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 椚章: "β、β-ビス(メチルスルホニル)スチレンのアセトニトリル/水銀電極系における電解還元反応" Chemistry Express. 4. 189-192 (1989)
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[Publications] Akira Kunugi: "Electroreductive Carboxylation of 1-Methylthio-1-p-tolylsulfonyl-2-arylethenes in N,N-Dimethylformamaide" Denki Kagaku. 58. 264-265 (1990)
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[Publications] Mikito Yasuzawa: "Electrochemical Carboxylation of Some Sulfur-containing Olefines" Extended Abstracts of 40th ISE Meeting. 860-861 (1989)
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[Publications] Akira Kunugi: "Cathodic Desulfonylation of α.β-Bis(methylsulfonyl)styrene at Mercury Electrode in Nonaqueous Solvents" Review of Polarography. 35. 42-42 (1989)