1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550614
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 孝 関西学院大学, 情報処理研究センター, 助教授 (00103135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 俊一 関西学院大学, 情報処理研究センター, 実験助手 (30177638)
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Keywords | 知識ベース / 人工知識 / 弁別ネット / 類似性 / 類推 / 化学反応 |
Research Abstract |
今年度は、化学反応知識ベース作成において基礎となる、分子構造の知識ベース化に重点をおいて研究を実施した。また化学反応をこの知識ベースシステムで表現するための理論的検討を行った。以下に本年度の研究により得られた成果を記す。 1.システム構築に当ってはLisp言語を用いる。このための作業環境を、SUN3ワークステーションと大形計算機M280D上に構築した。また化学構造式により入出力を行うための環境を整備した。 2.グラフ表現された化学構造を、弁別ネット型知識ベースに整理蓄積するためのプログラムを開発した。このシステムを用いれば、分子内の特定部分構造に由来する性質に関して、類似構造を有する分子を容易に検索することができる。例題として有機酸素酸化合物を弁別ネットに組織化し、類似性検索が高速に実行できることを実証した。 3.化学反応を計算機上に表現するための方法について検討した。その結果、分子構造表現のための結合表において、結合表記部に反応前後の総合次数を併記するという変更を加えることにより、容易に弁別ネット型知識ベースが構築できることが明らかとなった。この場合反応により構造が変化する部分を、性質と直接関連する部分構造と見なせば良い。 4.化学構造中に変数部を有する総称表記に対し、その表現法とこれを弁別ネット中へ位置づけるための理論を明確化した。現在この過程を実現するためのプログラムを作成中である。 以上に述べたごとく、化学構造を対象とした知識ベースシステムの構築は順調に進行している。次年度は、実際の化学反応データを取り扱えるようにシステムを改造すると共に、百程度の個別化学反応を知識ベース化し、類似性に基いた反応評価のシステムを完成させる予定である。
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