1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550616
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 忠 千葉大学, 工学部, 助教授 (50039294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸本 重男 千葉大学, 工学部, 助手 (90195686)
山田 和俊 千葉大学, 工学部, 教授 (60009230)
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Keywords | 有機スズ化合物 / LTA環化反応 / ラジカル環化 / 立体選択的環化反応 / チオノラクトン合成 / タンデム環化 |
Research Abstract |
有機スズ化合物の立体選択的環化反応を行い以下の成果を得た。 1.先ず環化に至る基礎的研究として、各種の有機スズ化合物を合成してこれらを四酢酸鉛(LTA)で酸化置換することによりSn→Pbのトランスメタル化を経て酸素官能基を位置選択的に導入することに成功した。更に、この酸化置換反応をヘテロ環に応用して、γ-イリデンブテノリド類の一般合成法を確立した。また二重結合・水酸基などを含むスズ化合物にこの反応を応用し、位置選択的にスズ基のみを酸素官能基に変換するルートを確立した。 2.(1)での基礎研究をふまえてγ-およびδ-位に水酸基を有するアルキルスズ化合物をLTAで処理することにより、予想通り環状エーテルを合成することができた。この環化は分子内に別の活性部分があってもスズ基のみに反応すること、およびスズ基の結合している炭素の立体を保持したまま環化が進行することが明らかになった。 3.水素化トリブチルスズが関与するラジカル環下についても研究を行った。ホモアリルキサンテートを基質に選び、ヒドロスズ/AIBN存在下でラジカル環化させることにより五員環のチオノラクトンを得る一般的合成法を見出した。この環下はジアステレオ選択的に進行し、α、β-二置換チオノラクトンにおいては95:5の比でトランス体を得ることがわかった。この環化は鎖状、環状キサンテート共に進行するほか、得られたチオノラクトンはMCPBA酸化で極めて容易に相当するラクトンに変換できることが明らかとなり、天然物合成への道が開かれた。 4.ホモアリルキサンテートを基本骨格とし、適当な位置に二重結合・三重結合・ハロゲン等のラジカル受容体・脱離基を配置すると鎖状キサンテートから一挙に二環性・三環性チオノラクトンへの変換(タンデム環化)が進行することも見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Yamamoto: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1988. 560-561 (1988)
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[Publications] M.Yamamoto: Chem.Lett.1989. 221-222 (1989)
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[Publications] 山本忠: 有機合成化学協会誌. 46. 1134-1148 (1988)
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[Publications] M.Yamamoto: J.Org.Chem.
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[Publications] M.Yamamoto: J.Org.Chem.