1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550621
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹内 賢一 京都大学, 工学部, 教授 (50026358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 知己 京都大学, 工学部, 助手 (10026289)
小松 紘一 京都大学, 工学部, 助教授 (70026243)
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Keywords | 3位置換4ーホモアダマンタノン / 4ーオキソー2ーアダマンチル / 4ーメチレンー2ーアダマンチル / ソルボリシス反応 / 炭素陽イオン中間体構造 |
Research Abstract |
1.3位置換4ーホモアダマンタノンの新合成法の開発ーー従来標題化合物のうち合成されたものは3位にメチル基をもつものに限られ、その合成法も極めて特殊であった。また、その方法を他のアルキル基やアリ-ル基に適用することは不可能であった。今回我々は、新環拡大反応に高収率で得られる3ーヒドロキシー4ーホモアダマンタノンとRLiとの反応で得られるジオ-ルをピナコ-ル転位させることにより、3位にアルキルまたはアリ-ル基をもつ4ーホモアダマンタノンの新合成法を開発した。2.4ーオキソー2ーアダマンチルトリフレ-トの合成とソルボリシスーアキシアル型とエカトリアル型の標題化合物を収率よく合成する方法を開発し、それらのトリフルオロエタノリシスとメタノリシスの生成物を調べた。TFE中では2axと2eqのいずれのトリフレ-トからも2eq型置換生成物が主に得られたが、MeOH中では2eq型から2ax型が主に生成した。さらに、両溶媒中で30〜40%の開環生成物(エステル)が生成したことは、この反応がイオン化を経ることを示す。これらの結果は、求核性が高い溶媒中ではSn2(intermediate)型の反応が起っていることを示唆している。3.4ーメチレンー2ーアダマンチルトリフレ-トのソルボリシスーー標題化合物のアキシアル型を新たに合成し、そのソルボリシスを各種溶媒中で検討した。メタノ-ル中の生成物は骨格を保ったもの28.4%と転位物と推定されるもの71.6%からなり、前者のeq:ax比は14:86であった。反転生成物(14%)が生成したことは非古典的構造中間体では説明できず、古典的中間体によって合理的に説明される。従来アダマンチル〜プロトアダマンチル転位を促進することには、1位にアルキル基が導入されたが、今回、2位が水素で、4位にビニル基を導入することによって、転位を促進する系を設計することが可能になった。
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Research Products
(1 results)