1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550622
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 民生 京都大学, 工学部, 助手 (00093295)
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Keywords | 触媒的不斉合成 / クロスカップリング / ニッケル錯体触媒 / 光学活性フエロセニルホスフィン / 光学活性ビナフチル / 光学活性テルナフチル / 強誘電性液晶 |
Research Abstract |
光学活性なホスフィン配位子を含む遷移金属錯体触媒を用いる不斉合成は、これまでに知られている光学活性化合物の合成法の中で最も効率の良いものの一つである。本研究では、新しく開発した光学活性フェロセニルホスフィンを配位子とするニッケル錯体触媒を用いてグリニャール不斉クロスカップリングを行い、高い光学純度の軸不斉ビアリール誘導体を不斉合成することに成功した。以下に説明する。 1.立体的にかさだかいグリニャール試薬と有機ハロゲン化合物とのクロスカップリングに対する種々のニッケルおよびパラジウム錯体の触媒活性を検討し、一座配位のホスフィン配位子をもつニッケル錯体が良好な触媒となることを見い出した。 2.メトキシ基を側鎖上にもつフェロセニルモノホスフィン(PPFOMe)を用いることにより、ニッケル触媒不斉クロスカップリングが高収率、高光学収率で進行し、(R)ー2,2′ージメチルー1,1′ービナフチル(95%ee)や(R)ー2ーメチル1,1′ービナフチル(83%ee)など軸不斉ビアリール誘導体が不斉合成できた。 3.1,5ーまたは1,4ージブロモナフタレンと2ーメチルー1ーナフテルグリニャール試薬との不斉クロスカップリングにより、95%を超す光学純度のテルナフタレンが得られた。 4.得られた軸不斉ビアリール化合物の液晶素材としての物性などは調査中である。
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Research Products
(2 results)