1988 Fiscal Year Annual Research Report
Pd(0)触媒による炭素ー典型金属σ結合の活性化を利用するカルボニル化反応
Project/Area Number |
63550623
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植村 榮 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70027069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 信之 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027025)
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Keywords | アルケニルボロン酸 / 芳香族ボロン酸 / カルボニル化反応 / パラジウム(O)触媒 / 含14族元素フェニル化合物 / 含15族元素フェニル化合物 |
Research Abstract |
1.アルケニルボロン酸および芳香族ボロン酸をメタールまたはテトラヒドロフラン中、常圧一酸化炭素(CO)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)触媒の存在下反応を行うと、CーB結合に形式上COが挿入し、対応するカルボン酸とケトンが生成するというカルボニル化反応が初めて起ることを明らかにした。具体的には、メタノール溶媒中でアルケニルボロン酸からは主としてカルボン酸メチルエステルが生成し、一方、芳香族ボロン酸からは同様の条件下でメチルエステルとケトンが得られ、後者が主生成物となる場合が多かった。また、テトラヒドロフランを溶媒とした場合、多くのボロン酸から対応するケトンが高収率で得られ、カルボン酸誘導体はほとんど生成しなかった。本反応における生成物の分布が、Pd(II)存在下での反応結果(すなわちカルボン酸およびそのメチルエステルのみが生成;Pd(II)だけでの触媒反応とならない)と大きく異なることより、反応経路としてCーB結合に対するPd(O)の酸化的付加という新しい考え方を提案した。 2.14族および15族元素のフェニル化合物(Ph_4Ge、Ph_4Sn、Ph_4Pb、Ph_3As、Ph_3Sb、Ph_3Bi)をPd(PPh_3)_4触媒の存在下、メタノール溶媒中で常圧一酸化炭素と反応させたが、いづれからも予期した安息香酸メチルとベンゾフェノンは全く生成しなかった。一方、これらの有機金属化合物はPdCl_2やRhCl_3・3H_2Oの存在下では常圧一酸化炭素によりカルボニル化を受け、安息香酸やベンゾフェノンが生成することを初めて見出し、特にPh_4PbからはLi_2PdCl_4存在下でダブルカルボニル化が起こり、ベンジルが生成するという興味ある知見を得た。
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Research Products
(2 results)