1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550626
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡原 光男 大阪大学, 工学部, 教授 (70028992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 功 大阪大学, 工学部, 教授 (70029049)
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Keywords | アセトニル化 / γージケトン類 / ジヒドロジャスモン |
Research Abstract |
著者らが最近開発した新規アセトニル化剤である2ークロロメチルー3,5ージオキサヘキセンー1(1__ー)を鍵化合物として、αー水素をもつ種々のカルボニル化合物の修飾により高収率でγージケトン類を合成する方法を開発した。その成果を以下に示す。 1.環状1,3ージカルボニル化合物を、THF中、PdCl_2/DBU/PPh_3存在下で、1__ーと反応させると、中間にπーアリルパラジウム錯体を経由してアリル化が進行し、加水分解により対応する2ーアセトニル誘導体が45〜88%の収率で得られた。 2.アセトニル化剤1__ーを炭酸エステル2__ーに誘導し、塩基を用いない中性条件下でのアリル化を検討した。基質をPd(OAc)_2/PPh_3系で、THF中、2__ーでアリル化後、加水分解して2ーアセトニル誘導体を合成した。本法は、マロン酸ジェステル,アセト酢酸エステル,フェニル酢酸エステル,フェニルアセトニトリル等の活性水素をもつ化合物のアセトニル化に適用できる。 3.環状モノケトンをNaHを塩基として、キシレン中で1__ーと反応させ、酸性条件下、加水分解を行って、2ーアセトニルシクロケトンを34〜55%の収率で得た。本法は、ケトンを保護することなくアセトニル化しうる特徴がある。 4.tーBuOH/tーBuONa系で、3ーオキソノナン酸エチルを1__ーでアリル化し、加水分解により67%の収率で対応する2ーアセトニル化物を得た。つづいて、NaOH水溶液で処理して環化反応を行い、75%の収率でジヒドロジャスモンを得た。この化合物は、ジャスモノイドと呼ばれる化合物の一員として、近年、香料工業に広く利用されており、多くの合成法が知られているが、本法は、従来法に比べると、操作も簡便で、かつ収率面においても優れている。
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Research Products
(1 results)