1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550635
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
折登 一彦 北海道大学, 工学部, 助手 (20109482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野目 浩 北海道大学, 工学部, 教授 (00000779)
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Keywords | ステロイド / 遠隔官能化 / アルコキシルラジカル / 分子内水素引抜き / ハイポアイオダイト / 分子力場計算 / MM2 |
Research Abstract |
基質として、コレスタンおよびアンドロスタン系の種々のステロイドアルコールに、CH_2をスペーサーとしてジフェニルカルビノール基をエステル結合させた化合物を合成して用い、これらをそれぞれ10^<-2>mol/lの濃度の四塩化炭素溶液とし、HgOとI_2(各3等量)により、相当するハイポアイオダイトとし、光照射により発生させたアルコキシルラジカルによる遠隔官能化を試みた。5α-アンドロスタン-3α-オールおよび5α-コレスタン-3α-オールエステル(1a)、(1b)ではともに選択的に一段階でカルボニル基の導入に成功し(2a)ならびに(2b)を得た。コレスタン骨格を有する(1b)では、(2b)とともにスピロ構造を有する大環状エーテル(3b)が副成した。これらの生成物は、14位に2重結合を有するエステル(4)を経て生成することを明らかとした。7α-オールエステル(8)からは選択的にコレスタン側鎖25位からの分子内水素引抜きに由来する大環状エーテル(9)が生成し、さらに還元反応により高収率で7.27-ジオール(10)を得ることにも成功した。また、MM2による分子力場計算からも、(1a)から得られるアルコキシルラジカルの分子内水素引抜き反応の部位は14αと算出され、上記の実験値と一致し、本反応のごとく大環状の遷移状態を経る化学変換の立体選択性がMM2により正しく予測出来ることを明らかとした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 折登一彦,佐藤伸二,杉野目浩: J.Chem Soc,Chem Commun.
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[Publications] 折登一彦,大戸秀,杉野目浩: Tetrahedron Lett.