1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550637
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
矢野 由美彦 群馬大学, 工学部, 教授 (30008510)
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Keywords | クラウンチオール / クラウンチアゾリウムイオン / クラウンイミダゾール / 静電的相互作用 / アルカリ金属イオン |
Research Abstract |
触媒基をもつクラウンエーテルはクラウン環に捕捉されたアルカリ金属イオンの静電場の静電的相互作用により、アニオン部をもつ基質を触媒基近傍に引き寄せ、選択的に加速することを次のクラウンエーテルを用いて、以下の反応系で検討した。 1.チアゾリウム塩(【1!〜】、【2!〜】)によるα-ケト酸の脱炭酸及びカルボキシルベンズアルデヒドの酸化:エタノール中塩基(DBU)存在下、K^+、Na^+の存在で数10倍の加速がみられた。 2.チオール(【3!〜】、【4!〜】)によるエステルの開裂:エタノール中、塩基(トリエチルアミン)存在下、p-ニトロフェニルp-カルボキシルベンゾエートのチオリシスにおいてもアルカリ金属イオンによる加速効果がみられた。【5!〜】を用いたときはアルカリ金属イオン添加による加速効果は全くみられなかった。 3.チオール(【3!〜】、【4!〜】)によるジスルフィド開裂:上記の条件で、エルマン試薬の開裂はK^+、Na^+の存在で数10倍加速された。 以上のことより、クラウン環に捕捉されたアルカリ金属イオンの静電場をアニオン部位を有する基質の引き寄せの因子に利用できること、またその際基質の反応部位と触媒基の位置関係が重要であることがわかった。
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[Publications] Yumihiko Yano: J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2,.
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[Publications] Yumihiko Yano: Bull.Chem.Soc.Jpn.,.