1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550642
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡部 良久 京都大学, 工学部, 教授 (70025956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 康之 京都大学, 工学部, 助手 (30144330)
光藤 武明 京都大学, 工学部, 助手 (90026344)
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Keywords | ギ酸アミド / ギ酸エステル / アルデヒド / CH活性化 / ホルミル基 / オレフィンへの付加 / ルテニウムカルボニル |
Research Abstract |
本研究の目的は、ギ酸誘導体を炭素源にして、遷移金属触媒存在下、増炭素反応を行うことにある。ギ酸アミド、エステル等のギ酸誘導体は、一酸化炭素から容易に誘導でき、いわゆるC1誘導体と考えることができる。本研究では、ルテニウムカルボニルがホルミル基のCH結合の活性化に高い触媒活性を有することを見出し、これらのホルミル基がオレフィンに効率よく付加することを明らかにした。 1.ギ酸アミド、エステルのオレフィンへの付加反応 ギ酸アミド類は、ルテニウムカルボニルを触媒に用い、過剰のオレフィン存在下反応させることにより、オレフィンに効率よく付加する。この際、一酸化炭素の加圧が不可欠である。アミド窒素上には、1つのアルキル基が必要であり、無置換のホルムアミド、二置換のN、Nージメチルホルムアミドを用いた場合、反応は全く進行しなかった。また、ギ酸エステル類も同様の反応条件下、オレフィンと反応し、対応するエステルを高収率で与えた。これらの反応においては、通常その反応性が低いと考えられる内部オレフィンが高い反応性を示した。 2.アルデヒドのオレフィンへの付加反応 ギ酸アミド、エステル類のオレフィンへの付加反応に高活性を示したルテニウムカルボニルは、アルデヒド類のオレフィンへの付加反応にもよい触媒となる。この場合にも、一酸化炭素の加圧が必要であり、アルゴン雰囲気下で反応を行うと主として、脱カルボニル化反応が進行する。アルデヒドとしては、αー水素のない芳香族アルデヒドが有効であり、αー水素を有する脂肪族アルデヒドを用いると脱カルボニル、βー水素脱離反応により、ヒドロアシル化生成物は得られなかった。 以上、本研究では、ルテニウムカルボニル錯体を用いることにより、種々のホルミル誘導体のオレフィンへの付加が可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kondo: Journal of Organometallic Chemistry. 345. 397-403 (1988)
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[Publications] T.Kondo: Tetrahedron Letters. 29. 3833-3836 (1988)
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[Publications] T.Kondo: Journal of Molecular Catalysis. 50. 31-38 (1989)
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[Publications] R.Takeuchi: Journal of Organic Chemistry. 54. (1989)
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[Publications] Y.Watanabe: Journal of Molecular Catalysis. 50. (1989)
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[Publications] Y.Tsuji: Journal of the Chemical Society,Chemical Communications.