1988 Fiscal Year Annual Research Report
高分子液体のマイクロ伸長レオロジーと配項向構造制御
Project/Area Number |
63550657
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小山 清人 山形大学, 工学部, 助教授 (60007218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克史 山形大学, 工学部, 助手 (50207081)
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Keywords | 高分子液体 / レオロジー / 超音波物性 / 配向 / ポリスチレン / ポリフェニレンスルフィド / 液晶性高分子 / 伸長粘度 |
Research Abstract |
本研究では高分子液体の配向構造制御のための基礎研究を行った。その主な研究成果は以下の通りである。 1.シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、および2種のサーモトロピック液晶性高分子を入手し、伸長粘度測定および超音波音速・吸収測定用の試料作成方法を確立した。 2.ブレンドには高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンのブレンド試料および液晶性高分子とポリアリレートとのブレンド試料を作成した。後者のブレンド系では一部相溶性の可能性が認められた。 3.これらの試料について溶融紡糸をも含んだ伸長流動実験とせん断流動実験を行った。さらに超音波による微細構造と分子運動の検討を実施した。その結果、PPSで高配向物を得るには線状で高分子量のものが良いことが明らかになった。また、液晶性高分子は顕著な配向構造を持ち、単にせん断流動と伸長流動の組合わせでは流動配向構造を制御することが困難であることが知られた。これに対してブレンドのような試料面での検討だけではなく、流動場に超音波場や電場などの外場を変調することが必要であるとの結論に達した。 4.ブレンド試料の伸長粘度測定の結果、ブレンド比と温度ひずみ速度の組合せにより海島構造とその配向が制御できることが明らかになった。また、均一な緩和時間分布を持つ試料に少量の長時間緩和のある試料をブレンドすると、その少量の島構造物が配向することによって高ひずみ領域で伸長粘度の急激な増加が著しくなることが明らかになった。 以上のように高分子液体のマイクロレオロジーによる流動配向構造制御の基礎的な知見を得ることができた。現在、コンパウンドを含む高分子混合系のレオロジーとマイクロ構造制御の研究および流動での外場変調による構造制御の研究を計画している。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] K.KOYAMA: Journal of Polymer Science:PartB:Polymer Physics. 27. 297-306 (1989)
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[Publications] K.Koyama: Xth International Congress on Rheology. 2. 34-36 (1988)
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[Publications] 石塚修: 高分子加工. 37. 215-219 (1988)
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[Publications] 小山清人: 繊維学会誌. 44. 202-206 (1988)
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[Publications] 小山清人: 高分子. 37. 412-412 (1988)
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[Publications] 小山清人: 成形加工.
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[Publications] 安保孝: 第33回音波の物性と化学討論会講演論文集. 33. 37-39 (1988)
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[Publications] 田中克史: 第36回レオロジー討論会講演要旨集. 1988. (158-161)
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[Publications] 田中克史: 第36回レオロジー討論会講演要旨集. 1988. (154-157)