1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550662
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 康次 信州大学, 繊維学部, 助教授 (00126658)
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Keywords | 高分子電界質 / 錯体 / 細胞 / 培養 / 生医用材料 / 機能 / 人工臓器 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
本年度は主に、多糖類を構造成分とした高分子電界質錯体(PEC)と細胞の相互作用について検討を行った。 1)2Xと多糖類からなるPEC(O)へのL-細胞の接着率は血清添加によって低下し、血清タンパク質が接着に阻害的に関与していることが示唆された。 2)また多糖類に着目すると、接着率は、アルギン酸>ヒアルロン酸>コンドロイチン硫酸(type-A)の順となった。 3)これらのPEC上でL-細胞を増殖させると、接着率が高かった、アルギン酸、ヒアルロン酸を用いた場合は荷電バランス(-4)で、逆にコンドロイトン硫酸では(+4)の最適の増殖が認められた。 4)L-細胞の増殖に関してポリアニオンの官能基で比較すると、スルホン酸基>カルボキアル基となる。 5)L-細胞の増殖に関して合成高分子と多糖類を比較すると、多糖類>合成高分子となる。 6)L-細胞の接着の強さは、スルホン酸基<カルボキシル基、多糖類<合成高分子となる。 7)多糖類の骨格もL-細胞の増殖に影響を及ぼし、グルコ-スユニット>グルコサミンユニットとなる。 8)多糖類に導入したアニオン席の位置は増殖にあまり影響を及ぼさない(コンドロチン硫酸のtype-Aとtype-c)が、導入率は高い方が増殖に適している。 などの事が明かとなった。これらの結果より、増殖には細胞が基材の上を自由に動き回れるような、ある程度弱い接着力が必要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Ichiba,J.Ono,T.Okeda,R.Takaki,K.Abe,S.Senoh,: "Culture of RINr Cells on a Polyelectrolyte Complex(PEC)-Coated Dish" J.Japan Diab.Soc.32. 635-639 (1989)
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[Publications] K.Abe: "Polyelectrolyte Complex for Antithrombogenic Materials" 化学工業. (1990)
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[Publications] K.Abe,A.Teramoto,S.Senoh,Y.Ichiba,J.Ono,R.Takaki,: "Culture of RINr Cell on Polyelectrolyte Complex" Adv.Polym.Technol.,.
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[Publications] K.Abe,K.Yasuda,A.Teramoto,S.Senoh,E.Iizuka,T.Akaike,: "Interaction between Hepatocyte and Polyelectrolyte Complexes" J.Appl.Polym.Sci.,.
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[Publications] K.Abe,A.Teramoto,S.Senoh,E.Iizuka,T.Akaike,: "Functionalities of Hepatocyte Cultured on Polyelectrolyte Complexes" J.Biomed.Mater.Res.,.
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[Publications] 土田英俊、阿部康次: "高分子と細胞膜の相互作用" 共立出版, (1990)