1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550677
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 宏道 東京大学, 工学部, 助手 (10011058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 照幸 東京大学, 工学部, 技官 (20107585)
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Keywords | エポキシド / シクロヘキセンオキシド / 金属アルコキシド / 金属塩化物 / 配位アニオン重合 / 光誘起重合 / 熱誘起重合 |
Research Abstract |
1.我々はTi(O^iPr)_4(I)はシクロヘキセンオキシド(II)の重合に対する触媒活性は低いが、これにフェノールを添加すると触媒活性が著しく増大することを見出した。この知見に基づいてUV照射あるいは加熱することによりフェノール類を放出するような化合物(例えば、それぞれIIIあるいはIV)とIとの二成分系触媒を用いてIIの光誘起あるいは熱誘起重合に成功した。生成重合体の解析から、その末端の大部分はPhO基ではなく、^iPrO基であることが判明した。これらの事実から重合機構は配位アニオン重合と考えている。 2.上記の重合反応における触媒作用を解明し、新しい触媒を設計するために、金属アルコキシドの金属、配位子を変換させてIIの重合を行い、以下の結果を得た。(1)Zr(OPr)_4は単独でも相当の重合活性があるが、室温以下で上記と同様な光誘起重合を行うことができる。(2)遷移金属塩化物によるIIの重合では、ToCl_4、TaCl_5が特に高い触媒活性を示すこと、生成重合体制の末端にClが存在すること、また上記と同様に、この場合にもフェノール類の添加効果があることなどを見出した。以上の結果を総合して、遷移金属化合物の重合活性は金属に結合した配位子のエポキシドへの攻撃力と金属のルイス酸性を増す働きの二つにより支配されており、前者はCl>O^iPr>OPhの順であり、後者はOPh、Cl>O^iPrの順であると結論した。 3.新しい型の光誘起重合触媒として、IIIの様な構造を金属アルコキシドの配位子内に持つものを設計し、その合成を試みた。その一つとして化合物Vの化合を行い、O-体、P-体の合成に成功し、現在遷移金属アルコキシドあるいは塩化物との二成分系触媒等によるIIの重合反応を検討している。
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[Publications] Noriyuki,Suzuki: J.Polym.Sci., Part C, Polym.Lett.,.