1988 Fiscal Year Annual Research Report
極性非プロトン溶媒の高分子化と相間移動触媒としての利用
Project/Area Number |
63550684
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 修寿 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40024335)
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Keywords | 極性非プロトン溶媒 / 相間移動触媒 / カチオン抽出 / 反応場 / 高分子効果 |
Research Abstract |
まず、極性非プロトン溶媒であるジメチルスルホキシド、NNージメチルホルムアミド、N.Nージメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドン、およびテトラメチル尿素の構造をスチレンのパラ位をもつ新規モノマーの合成を行った。次いでこれらのモノマーとスチレンのラジカル共重合により標題の高分子を合成した。 これらの可溶性の高分子は、リチウム、ナトリウム、およびカリウム等のアルカリ金属カチオンに対して抽出能を持ち、その抽出能は、活性点密度の高い高分子ほど大きいことがわかった。一方、低分子では、このような抽出能は見られなかった。このことは、高分子中では、活性点は、常に近くに存在し、それらが、カチオンに協同時に相互作用し、キレートを形成し、水相から有機相へカチオンを抽出するとして理解される。 これらの高分子の相間移動触媒活性は、トルエンー水二相系でのハロゲン化アルキルと種々の求核試薬の反応における生成物の収率より評価した。その結果、これらの反応は、低分子や単独重合体では促進されないが、スチレンとの共重合体には触媒作用を受ける。このことは、触媒活性に及ぼす重要な因子として、抽出能だけではなく、活性点まわりの疎水的反応場の形成があることを示している。以上のように、低分子では見られない触媒活性が、高分子化することで発現されたことは、高分子効果の面から興味深い。 さらに、これらの構造をもつ不溶性の高分子も合成され、その構成と活性についても検討がなされている。又、ナイロン66やポリ尿素も、部分的にアルキル化することにより相間移動触媒として働くことがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 近藤修寿: J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.,.
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[Publications] 近藤修寿: J.Macromol.Sci.Chem.,.