1988 Fiscal Year Annual Research Report
超高分子量PVAの合成とその機能材料化に関する研究
Project/Area Number |
63550691
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
三軒 齊 姫路工業大学, 工学部, 教授 (30047568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 統平 姫路工業大学, 工学部, 講師 (50047627)
蒲池 幹治 大阪大学, 理学部, 教授 (40028163)
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Keywords | 超高分子量PVA / 無触媒光乳化重合 / ポリピバル酸ビニル / ポリ酢酸ビニル / ポリビニルアルコール / 立体規則性度 / ゲル紡糸 |
Research Abstract |
〔1〕(イ)モノマー:100ml、水:200ml、乳化剤(LWZ):10mlの系を、0℃で光照射し、高収率でポリ酢酸ビニル(PVAc)を重合し、これをケン化することにより、重合度が10,000〜13,000のポリビニルアルコール(PVA)を得た。(ロ)これらPVAは^1H-NMR分析で特性決定した。ケン化度は99%以上、1,2ーグリコール構造の割合は約1%、トリアッドタクティシィティーは、mm:22.1、mr:49.5、rr:28.4%であった。以上の結果は、第37回高分子学会年次大会(1988、名古屋)において発表した。 〔2〕ピバル酸ビニルの低温無触媒光乳化重合により高重合度ポリピバル酸ビニル(PVP)を得た。高重合度PVPのケン化は極めて困難であったが、THF溶媒中、窒素ガス雰囲気下でKOH/メタノールを用いて処理することにより、短時間でケン化度99.5%以上、重合度約18,000のPVAを得ることができた。得たPVAはシンジオタクテイシィティーに富む立体構造を有し、従来のPVAと異なる物性を発現することが期待できる。これらの結果は、1989環太平洋国際化学会議(ホノルル)にて発表予定である。 〔3〕これら無触媒光乳化重合では、ミセルを形成しているLWZが、稀ではあるが光を吸収し分解すると、一方の親水性部ラジカルは水層に、また、もう一方の疏水性部ラジカルはミセル内にと、それぞれ引き込まれて、効果的に重合を開始すると推定した。これらの結果は、中日高分子シンポジウム(1989、中国広州)にて発表予定である。 〔4〕(イ)〔1〕で得たPVAの水溶液から、キャスト法で耐水性に優れた膜を調製し、現在それの諸物性、パーベーパレーション能などを検討中である。(ロ)また、同上PVAをゲル紡糸して高強度・高弾性率の繊維を得た。力学的諸物性の検討を現在続行中である。
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Research Products
(2 results)