1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550724
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高橋 武重 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20041543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 敬美 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00177312)
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Keywords | 超微粒子酸化チタン / 気相合成 / 触媒担体 / ニッケル触媒 / ニッケルアセチルアセトナート / 気相担持法 / ニッケル析出反応速度 / 水素化反応 |
Research Abstract |
新たに購入した管状炉、フローメータユニット及び温度コントローラを使用して、超微粒子酸化チタンの合成装置を組み立てた。この装置の石英製反応管にテトライソプロポキシチタンを蒸気で供給して熱分解を行い酸化チタンを調製している。酸化チタンの生成速度、粒子の形状、粒径分布、結晶形及び酸性度に及ぼす反応条件の影響について、実験的に検討した結果、平均粒径が20nmの完全球に近い粒子になる操作条件を確立することができた。また、反応温度が600℃以下では生成した酸化チタンは無定形であるが、反応温度700℃にするとアナターゼ形の酸化チタンは無定形が得られることが分かった。供給したテトライソプロポキシチタンから超微粒子酸化チタンへの回収率を向上させるために装置の改良を行い、原料の吹き込み口から反応ゾーンまでの距離を調節することにより、20%以上の回収率が得られた。原料濃度を一定に保ったまま、供給速度を大きくすることにより粒子径が揃った超微粒子酸化チタンを5g/dayの速度で回収することに成功し、触媒担体に利用できるめどがついた。この超微粒子にニッケルアセチルアセトナートを気相(窒素より5%に希釈)で供給したところ、同一操作条件で反応を行ったにもかかわらず、ニッケル担持量にかなりの差が見られた。この原因を追究するため、ニッケル担持量とアンモニア吸着法による酸性度測定結果との関係を求めたところ、担持量は酸性度が大きくなると減少することが分かった。現在、気相法ばかりでなく液相法(含浸法)を行い、上記の関係が得られるか検討している。 超微粒子酸化チタンに担持したニッケル触媒による油脂の水素化実験を行うに先立ち、当研究室で比較するデータの蓄積があるベンゼンの水素化反応を行っている。その結果、本触媒はニッケル担持率が低いにもかかわらず、市販のニッケル触媒と同等の活性を示すことが分かった。
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Research Products
(2 results)