1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550724
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Research Institution | Faculty of Engineering, Kagoshima University |
Principal Investigator |
高橋 武重 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20041543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 敬美 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00177312)
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Keywords | 超微粒子酸化チタン / ニッケル触媒 / ベンゼン水素化反応 / ニッケル分散度 / タ-ンオ-バ-頻度 / オレイン酸メチル水素化反応 |
Research Abstract |
チタンテトライソプロポキシドを原料として、CVD法で調製したチタニア超微粒子にニッケル・アセチルアセトナ-トを原料として、再びCVD法を用いてニッケル触媒を作成した。ニッケルの担持率とチタニア粒子の調製条件との関係について調査し、固体の酸性度が大きな粒子にニッケルが良く担持されることを見いだした。この結果を参考にして、チタンテトライソプロポキシドの濃度を出来るだけ低くし、調製温度を600℃にして合成したチタニア粒子を試料として、ニッケル触媒を調製した。油脂の水素化反応に先立ってベンゼンの水素化を行い、触媒活性とニッケル担持率の関係を調べた。その結果、反応速度はニッケルの担持率は、1〜3%と低いにもかかわらず、含浸法で調製した20〜30%ニッケルとほほ同一の活性を示すことが分かった。そこで、水素吸着法を利用して、反応に有効なニッケル表面積を算出し、それからニッケルの分散度を計算した。この結果、CVD法で調製したニッケルの粒子径は、約2nmで含浸法で調製したそれの1/10程度の大きさになった。さらに、一個のニッケル原子が単位時間当たり何個のベンゼン分子を水素化出来るかを表すタ-ンオ-バ頻度で両者の活性の比較を行うと、今回CVD法で調製した触媒は、含浸法のそれよりも20倍程度大きな値を示した。このように、CVD法は高活性触媒の調製法として優れた方法であることが分かった。 ベンゼンの水素化反応で高活性であった触媒を用いて、オレイン酸メチルの水素化反応を液相回分反応器で行った。反応液を一定時間間隔で反応器から抜き出し、ガスクロで分析して、反応率及びステアリン酸メチルの選択率を算出した。その結果、CVD法で合成した触媒では温度上昇も小さく、高い選択率が得られることが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高橋武重,阿部和正,甲斐敬美: "CVD法で調製した超微粒子チタニアの触媒担体への応用" 化学工学論文集(掲載決定済). 16. (1990)
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[Publications] T.Takahashi,H.Hoshino and T.Kai: "Hydrogenation of Methyl Oleate over Ni Catalyst Supported on Ultra Fine Titania Particles" Canadian Journal of Chemical Engineering.
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[Publications] 高橋武重,松木田鈴代,甲斐敬美: "CVD法で調製したチタニア粒子の性状に及ぼす調製条件の影響" 鹿児島大学工学部研究報告.