1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 恭広 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023407)
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Keywords | 根系形質遺伝 / 表現型異変 / 根端培養 / 異型根 / 計量形態学 / イネ |
Research Abstract |
根端培養法における根の形質発現の固体間異変は極めて大きく、根系形質の可変性を調査する上で、その原因を解明しておくことが必要なため、培養に使用するめばえ種子根の生理的エイジ、種子根から根端を切断する方法、および固体間異変の出現における品種間差異の3点について検討した。培養条件は前年と同一とした。培養に使用する種子根の令は培養根の形質発現に大きく影響し、置床後3-4日のものの生長がもっとも優れ、異変も小さい傾向にあった。根端切断法はもっとも固体間異変の出現に関係し、切断面が潰れたばあい、変異の増大並びに生長の異常をもたらした。5品種を用いて行った固体間異変の出現程度における品種間差異の検討では、とくに関係は認められなっかった。 前年同様、統一の育成に関わった6品種を用いて、土壌で生育させためばえの種子根(3週令)の根軸に於ける形質発現を、種子根軸長、L・S型1次側根長と数、及び2次側根長と数を計量形態学的に調査し、これら品種間の根系形質の遺伝について検討した。総根長や総根数では優れるIR-8・低脚鳥尖・Peta・統一と、それらに劣るユ-カラ・台中在来1号の2つに分かれた。L型1次側根の出現率は前者で小さく、後者で大きかった。2次側根の出現率では逆の関係が認められた。L型1次側根及び2次側根の平均長では、前者が後者より優れる傾向にあった。各品種の種子根系の共通点と相違点を、とくに種子根系における総根長の拡大の仕方の違いに注目して調査した結果、上述の2つに大別された各品種間の関係は、2次側根の寄与率の違いにおいても認められた。2次側根の寄与率が最も大きい統一の特徴は、L型1次側根長、種子根軸の分枝性或いは2次側根の寄与率の大きさ等における類似性と合わせて考えて、PetaからIR-8をへて導入されたものと推定された。
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Research Products
(1 results)