1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 恭廣 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023407)
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Keywords | 根端培養 / 表現型変異 / イネ種子根 / 異形根 |
Research Abstract |
これまでの測定値をもとにして,当初の一つの目標とした統一の育成に関わったユ-カラ,台中在来1号,IRー8,Peta,低脚烏尖の品種間での根系形質の遺伝の検討を行なった。また遺伝子型の異なる各品種における保守的並びに可塑的根系形質の評価を,R2・R2c両根端培養系,WD・WL両水耕めばえ系(W),及び土壌栽培系(S)の5つの係間で行なった。その結果は以下の様に要約される;1.種子根系の構成様式をパタ-ン化するために,全根長及び全根数に対する種子根較,L型1次側根,S型1次側根,2次側根の寄与度を取り上げ,各品種のパタ-ンを比較した。その結果は系によって多様に変化し,一定の明瞭な類縁関係は認められなかった。R2培地では台中在来1号と低脚烏尖,統一とPetaの間にそれぞれ類似性を認めた。R2c培地ではユ-カラと統一,台中在来1号と低脚烏尖,IRー8とPetaの間にそれぞれ類似性を認めた。しかしW系とS系においては明瞭な関係は認められなかった。2.根系形質発現の保守性及び可塑性の評価には,各形質の測定値の変動係数を用いた。その結果,どの品種においても根数形質は根長形質に比較して変動係数が小さく,可塑性が相対的に小さかった。1次側根密度は品種・系間を通じて最も保守的な形質と評価された。またこの検討の過程で根系形質の発現の安定性に地上部の存在,とくに光が照射された状態での地上部の存在が根系形質の発現における個体間変異を小さくすることを認めた。
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Research Products
(2 results)