1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
広田 修 九州大学, 熱帯農学研究センター, 助教授 (60038289)
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Keywords | 大豆 / Harosoy / 有限伸育型 / 無限伸育型 / 草高 / 物質生産 / 光合成 / 風速の減衰係数 |
Research Abstract |
大豆固体群の草高と群落光合成および物質生産との関係に注目して、Harosoyの有限伸育型と無限伸育型をもちいてそれぞれの個体群を作成した。草高、乾物重、葉面積指数、群落内相対光強度、風速の垂直分布、立毛状態での個葉光合成速度および呼吸量を測定した。草高は生育の初期より無限型のほうが大きく、生育盛期には有限型の2倍となった。全乾物重および葉面積指数も無限型が有限型を明らかに凌駕した。無限型は葉面積指数が大きいにもかかわらず、草高が高いので葉面積密度は有限型とほぼ同じであり、その垂直分布も有限型と同型であった。吸光係数は有限型と無限型で差がなかった。しかしながら風速の減衰係数は無限型で小さかった。このことは無限型群落におけるCO_2拡散を有利にし、群落内のCO_2を高く保つのに役立つことを示唆している。次に圃場条件下で測定した個葉光合成を両者で比較すると、明らかに無限型のほうが大きかった。また、呼吸速度に関しては両者に明瞭な差はなかった。 群落光合成および物質生産に係わる作物側の要因は無数にあると思われる。本研究においては無限伸育型が葉・節数を増し草高および葉面積指数を大きくした。この事は吸光係数に変化を与えなかったものの風速の減衰係数を小さくし群落内のCO_2拡散を有利にしている。また個葉光合成も無限型で大きくなった。 このように、有限型と無限型の大豆の生育を比較した場合、無限型のほうは単に草丈のみが高くなるのではなく葉数と節数を増し、その結果葉面積の拡大と活動中心様の更新がうまく行ったことが、群落内CO_2拡散の促進と相まって高い乾物生産をもたらしたと考えられる。
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