1989 Fiscal Year Annual Research Report
ネギ品種・品種群の生理・生態的特性と分化成立について
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63560025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
位田 晴久 京都大学, 農学部, 助手 (60151768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 閑 福井県立短大, 農学科, 助教授 (20115801)
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Keywords | ネギ / 品種分化 / プロリン / 高温伸長性 / アイソザイム / 発芽適温 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、日本のみならず中国、台湾、韓国も含め数十品種を比較栽培し、ネギ品種・品種群の類緑関係を解明するべく、種々の形質について調査検討した。 1.プロリン蓄積量 高温乾燥時のプロリン蓄積量は概して加賀群、千住群、中国北方系の品種で高い値を示した。九条群、中国南方系の品種では低い値であった。韓国系の品種ではおおよそこれらの中間的な値が得られた。全ての品種で、適温潅水時に比べて高温乾燥時にプロリン蓄積量が多かった。高温乾燥時のプロリン蓄積量と高温伸長性の間には高い相関があることが明かとなった。さらに他の実験の結果と合わせ、高温乾燥時にプロリンを多く蓄積する品種ほど高温乾燥ストレスに対する耐性が高く伸長性が優れるのではないかと考えられた。 2.アイソザイム分析 PGMについては、3種類のバンドパタ-ンが得られたが、ある特定の品種群に属する品種がある特定のバンドパタ-ンを多く示すといった傾向は認められなかった。 3.温度が発芽率に及ぼ影響 4段階の温度区における発芽率のパタ-ンを調べたところ5種類のパタ-ンに分けられ、一般的に高温伸長性が大きい寒地の品種では発芽適温が高く、低温伸長性が大きい暖地の品種では発芽適温が低いという傾向が認められた。 なお、耐雪性については、本年度も暖冬のため比較栽培した福井でほとんど降雪がなく、十分な解析をするには至らなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Haruhisa Inden: "Classification of Japanese bunching onion(Allium fistu losum.L.)." Proceedings of International Symposium of Horticultural Germplasm,Cultivated and Wild. (1990)
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[Publications] Tadashi Asahira: "Diversity of genetical resources in northeast Asia for progressing vegetable production." Proceedings of the KNU International Semimar. 4Aー4. 1-11 (1989)
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[Publications] 位田晴久: "ネギ葉身のクチクラワックスの微細構造の品種間着および季節による違いについて(第2報)各品種群の年間を通じた変化" 園芸学会発表要旨. 秋. 348-349 (1988)
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[Publications] Haruhisa Inden: "Japanese Bunching Onion(Alliun fistulosum L.)in Onions and Allied Crops,H.D.Ravinowitch and J.L.Brawster Eds." CRC Press,Inc., 265 (1990)