1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560027
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前川 進 神戸大学, 農学部, 助教授 (60031217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 昇 神戸大学, 農学部, 助手 (30151575)
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Keywords | ストック / ウォールフラワー / 黄色花の育成 / プロトプラストの単離 / 胚珠培養 / 大量増殖 |
Research Abstract |
1.ストックとウォールフラワーの正逆交雑でストックを母親とした場合は321花の交雑で69粒、ウォールフラワーを母親とした場合は223花の交雑で3粒の種子が得られた。しかし、結莢率は逆に後者の場合に高かった。F個体は殆どが母親と同じ形質をもったもので、濃黄色の花色をもった個体はなかった。なお、数個体について草型や花色に変異が見られたので、その後代について検定を行っている。 2.試験管内授精と胚珠培養の結果、いずれも雑種種子を得るまでには至っていないが、前者では改変MS培地にBA0.5ppmを添加したときに、また後者では固形培地より液体培地で好結果が得られ、1/2MS培地にBAとGAを各1ppmを添加したときに肥大することを認めた。特に受精後9日目の胚珠においてその肥大が顕著であった。 3.プロトプラストの単離については植物の種類や部位によって単離の条件が異ったが、両種ともプロトプラストの単離に成功した。特に暗所で形成されたストックのカルスから単離されたプロトプラストの培養において、初期培養として1/2MS培地にBAとNAAの各1ppmを添加したとき、培地上で分裂してコロニーとなり、その後BA0.5ppmの1/2MS培地を加えることにより、約3mmのカルスに生長した。これらにより、プロトプラスト融合後のカルス形成への手がかりが得られた。 4.ストックとウォールフラワーとの間に新花色をもつ個体が作出された場合の組織培養による大量増殖を目的として、各組織片を用いて実験を行い、(1)培地ホルモンとしてNAA発根に、またBA及びゼアチンがシュート形成に有効であること、(2)置床部位として実生の子葉より本葉が下胚軸がカルスやシュートの形成に適していること、(3)品種によってカルスやシュートの形成に差異のあることを明らかにした。
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