1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560027
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
稲垣 昇 神戸大学, 農学部, 助手 (30151575)
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Keywords | プロトプラスト / ウオ-ルフラワ- / ストック / 形態形成 / 細胞融合 / 黄色花 / 試験管内授精 / 大量増殖 |
Research Abstract |
1.ストックとウオ-ルフラワ-との交雑結果 交雑によって得られた植物体の諸形質及び開花の早晩は、すべて母親の品種のそれとよく似たものであった。しかし例外とし、♀'紫鵬'×♂'アリオニ-オレンジ'の交雑種子からの植物体の花色は白色となり、紫色の花色を持つ母親と異なっていた。また♀'早雪'×♂'オ-ルダブル'の交雑種子からの植物体の花色も淡黄色となり、白色の母親と異なった。ストックウオ-ルフラワ-のパ-オキシダ-ゼアイソザイムパタ-ンは明かに異なっていた。よって交雑種子がF_1であるかどうかのの検定は可能となった。 ストックとウオ-ルフラワ-の交雑不和合性は配偶体の不捻性や花粉菅の伸長不能等、授精以前の障害によるものであるのか、母本組織と雑種胚の間の何らかの生理的アンバランスによる雑種胚の退化によって種子が得られないのかどうかは本実験ではその原因を明らかにすることはできなかった。 2電気的細胞融合:融合のための前提となるプロトプラスト同士の接着、すなわちパ-ルチェイン形成の最適条件を検討するため、交流周波数を1MH_z泳動時間を20秒と設定し、パ-ルチェ-ン形成に対するプロトフラストの密度と高周波電界の影響について検討した結果、密度が(10^<5個>)/(ml),高周波電界(150V)/(cm)が適当であると思われた。次いで一過的膜破壊及びその後のプロトプラスト融合については、パルス電圧が高く、またパルス幅が広くなるに連れてプロトプラストの破損率は高くなる傾向があり、パルス電圧(1.5kv)/(cm)、パルス幅70μsが適当であると考えられた。 3組織培養による大量増殖 シュ-ト形成に影響する諸要因の中で、品種間差異、外植体の種類、植物ホルモンの種類と濃度、窒素源、キャップの種類等について検討した。外植片として本葉切片及び下胚軸由来カルスを用い、1/2MS培地を基本培地として、これに植物ホルモンとしてBA、ゼアチンなどのサイトカイニン類、窒素源にグルタミン酸を添加した培地上で培養した場合高いシュ-ト形成率を得ることが可能となった。
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