1988 Fiscal Year Annual Research Report
ファレノプシス葉肉細胞からのプロトプラストの単離、培養および植物体分化誘導
Project/Area Number |
63560029
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田中 道男 香川大学, 農学部, 助教授 (10115975)
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Keywords | ファレノプシス / プロトプラストの単離 / プロトプラストの培養 |
Research Abstract |
昭和63年度においては、(1)ファレノプシス葉肉細胞からのプロトプラスト単離条件の検討、および(2)得られたプロトプラストの培養条件の検討を中心に研究計画をたてた。ファレノプシスの場合、プロトプラスト単離用材料としては、無菌材料が得られることと材料としての均一正が高いことなどから、花茎培養によって得られたin vitroのシュート葉を用いた。まずこれらのシュート葉を材料として、プロトプラストの単離条件の予備的な検討を行った。これらの結果の概要を示すと、シュート条件の予備的な検討を行った。これらの結果の概要を示すと、シュート葉からのプロトプラストの単離には、(1)シュート葉のうち最も新しい葉(最上展開葉)を供試する、(2)シュート葉を中央脈に直角に1〜2mmの幅で細切してから酵素処理を行う、(3)酵素液としては、基本培地(B5)に、2%セルラーゼYC、1%ペクトリアーゼY-23および13%シュークロースを添加したものを用いる、(4)酵素処理は、30℃暗黒で、短時間の振とうよりも静置で数時間行う、(5)得られたプロトプラスト懸濁液を100Xgで5分間遠心し、プロトプラストのみを浮上させて分離する、(6)プロトプラストの精製は、基本培地に13%シュークロースを加えた洗條液中に(5)で分離したプロトプラストを加え、100Xgで15分間遠心して浮上したプロトプラストを回収し、この操作を再度行って精製する、ことなどによって健全なプロトプラストが多数得られることが明らかとなった。これらの単離したプロトプラストを種々の条件で培養したが、細胞分裂は全く認められなかった。したがって、今後は、プロトプラストの培養条件(温度、照度)および培地条件(基本培地の種類、植物生長調節物質の組合わせと濃度)について詳細な検討を行い、細胞分裂とそれに続くコロニー形成誘導を試みる予定である。このコロニー形成に成功した場合、これらからのPLB形成さらには植物体の分化誘導条件を検討することによって、ファレノプシスのプロトプラスト培養が確立されよう。
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