1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560032
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
有隅 健一 鹿児島大学, 農学部, 教授 (40035100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 祐介 鹿児島大学, 農学部, 助手 (70041671)
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Keywords | 育種 / ツツジ / シャクナゲ / 新花色 / 耐暑性 / 交配不和合性 / 不稔性 |
Research Abstract |
黄色とブル-の常緑ツツジの実現は本研究の主要課題の1つであるが、これと関連して有鱗片シャクナゲには、種や品種間にかなり広範な交配不和合性や雑種後代に不稔性が存在することを、63年度の実験により明らかにした。このことは夕燐片種は無燐片種などよりもゲノムの分化が進んでいること、したがって育種素材の選択や組合わせに大きな制約があることを意味する。そこでブル-系の有燐片シャクナゲの原種および品種、26点について総当り的な交配を行ない、結〓率、〓果当り種子数、種子の発芽率、実生の生育の良否等に、母本自体の耐暑性や鑑賞性も加味した検討を加え、育種親として品種では「Grater Lake,」、「Bob's Blue」、「さわやか」、次いで「きらめき」、「白夜」、「紫水晶」、「孔雀」の7品種が、また原種ではR.impeditum,R.litangenseの2種が有望であること、「マダム・メランコリ-」と「群千鳥」は子房親としては汎用性に欠けるが、花粉親としては比較的多くのものと結びつくこと、「あすか」は子房親としても花粉親としても汎用性に欠けるが、他のものが結び付かない非常に特殊な品種と結び付くこと、更に「Mother Greer」、「Prostigiatum」など不稔性が強く、使用不可能な品種があることなどを明らかにし、この方向の育種の進展に大きな拠りどころを得た。同様な検討は、黄色系の有燐片シャクナゲについても行った。黄色系は品種自体が少ないため、検討しえのは12点であったが、一般に不稔性が高いため使用可能と判断されたのは「Chrysomanicum」、「いかるが」、「明星」、「Wren」の4品種のみであった。また本邦産の原種R.keiskeiの耐暑性について、産地別に優劣を比べ、市房山産のそれが遺伝子源として有望であることを明らかにした。この他無燐片シャクナゲ×落葉ツツジ(濃黄色)の親和性が高いことを明らかにし、新しい育種への手がかりを得た。
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