1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560033
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
衛藤 威臣 鹿児島大学, 農学部, 助手 (10041659)
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Keywords | ニンニク / リーキ / タマネギ / 細胞融合 / プロトプラスト / PEG / 不稔性 |
Research Abstract |
不稔野菜の稔性化をはかるにあたり、ここでは完全不稔型野菜として知られるニンニクを中心に実験を試みた。ネギ属植物では細胞融合による雑種個体の形成に成功していない。また、プロトプラストから個体再生に成功した例もタマネギ1例のみである。従って、まずプロトプラストの最適単離条件を求めることとした。 1.材料:ニンニクの不稔系統、稔性系統、近縁4倍体で種子繁殖型のリーキ、やや遠縁だが種子繁殖型で同じネギ属の中では唯一プロトプラストから個体再生した例があるタマネギを用いた。 2.酵素の選択と濃度:ペクチナーゼとセルラーゼを数種用い、プロトプラスト単離のための最適組合せと濃度を求めた。その結果、不稔ニンニクも稔性ニンニクも葉身からのプロトプラスト単離には、Pectinase(Fluka)1.0%Cellulase 'Onozuka'RS0.3%の組合せが最も良かった。稔性ニンニクは系統No.130がプロトプラストを多く単離した。リーキ葉身、タマネギ葉身についても同じ組合せ、濃度が最もよい結果を生んだ。また、ニンニクのカルスにはCellulase 'Onozuka'RS5%、Pectinase(Fluka)5%が最適であった。なお、タマネギでは酵素12時間処理より4時間処理の方が良好なプロトプラストが得られた。 3.プロトプラストの低温処理、洗浄:酵素処理後、45分から1時間の低温処理でより多くニンニクプロトプラストが収穫できた。洗浄には、葉身からのプロトプラストは400rpm、カルスからのプロトプラストは600rpmの遠心分離でより多く収穫できた。また蔗糖クッション法では0.5M蔗糖で最もよく洗浄できた。 4.プロトプラストの融合:ニンニクのプロトプラストをポリエチレングリコール溶液で処理し、高カルシウム溶液(PH10.5)で希釈し、Lus培養液で洗い、培養を試みた。融合はみられたが、カルス形成はなかった。
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