1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
目黒 煕 東北大学, 農学部, 教授 (30005590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 芳弘 東北大学, 農学部, 助手 (80183896)
大類 洋 東北大学, 農学部, 助教授 (20100050)
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Keywords | キラル重水素標識化糖 / N-結合型オリゴ糖 / 立体配座解析 / 選択的脱ベンジル化反応 |
Research Abstract |
1)申請者が開発した6位のキラル重水素標識化法を利用してキラル重水素標識化マンノーヌの大量合成を行った。またマンノースを原料としたN-アセチルグルコサミンの新合成法を開発しキラル重水素標識化N-アセチルグルコサミンの大量合成を行った。2)上記単糖類を原料としてα-及びβ(1-6)Manno二糖、α-、ベータ(1-6)β(1-3)Manno三糖、α(1-6)α(1-3)Manβ(1-4)Glcnac四糖の非重水素標識体、キラル重水素標識体の合成を行った。3)単糖、オリゴ糖それぞれについてNMRを用いてC_5C_6結合(W角)、及び(1-6)結合(φ,Ψ,w角)の立体配座解析を行い、有意安定配座を明らかにした。その結果マンノースのC_5-C_6結合(w)はgg〓gt>>tg〓0、N-アセチルグルコサミンはgg>gt>>tg〓0であった。マンノニ糖の(1-6)結合のC'_5-C'_6軸(w角)は基本的には単糖の性質をそのまま保持していた。 C'_6-C'_6〓結合軸(Ψ角)はα-およびβ-(1-6)結合とも約180°であった。またC_1-O_<1〓>結合軸(φ角)はα-(1-6)結合とβ-(1-6)結合では異なり、α-結合ではO_<5〓>-C_1-O_<1〓>-C_6角が約-60°となり、さきのΨ角と組み合わせると丁度C_1-O_<1〓>結合とC_<6'>-H_<6'>proR結合が1.3-syn periplanarとなる配座をとり、β-(1-6)結合とC_<6'>-H_<6'>proR結合が1.3-syn periplanarとなる配座をとること明らかにした。これはグルコ-及びガラクト(1-6)結合においても全く同じでありLemiluxのエキソアノメリック効果を支持するものであった。同一糖残基内の3位のグリコシル化はその(1-6)結合の立体配座に影響しないが4位及び1位へのグリコシル化(特にGlcNAc)はその(1-6)結合のw角に影響し、6位の糖残基とGlcNAcがお互いに引き合うことを明らかにした。また本研究中に選択的脱ベンジル化反応を開発するとともに、シアール酸、KDOのアノメリック配置の確実な決定、及びメチレンプロトン、メチンプロトンを識別するNMRの新しい方法をも開発した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 西田芳弘: Tetrahedron Letters. 29(35). 4461-4464 (1988)
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[Publications] 大類洋,目黒煕: J.Carbohydrate Chemistry. 7(4). 711-731 (1988)