1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560072
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新井 勇治 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (90015636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 忠 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (40165056)
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Keywords | アクロシン / セリンプロテア-ゼ / アミノ酸配列 / cDNA / ヒト精巣 |
Research Abstract |
ブタアクロシンcDNAをプロ-ブとして、λgtllをベクタ-としたヒト精巣cDNAライブラリ-をスクリ-ニングした。その結果、8×10^4個の独立クロ-ンより、3個の陽性クロ-ンを得た。得られたcDNAの一つを、各種制限酵素で切断し、制限酵素地図を作成し、それをもとに適当なDNA断片をpUC19、M13ベクタ-にサブクロ-ニングした。ジデオキシ法により全塩基配列の決定を行ったところ、1263塩基対より成る翻訳領域、及びそれにつづく94塩基対の3'-非翻訳領域が見出された。これよりアミノ酸配列を推定したところ、ヒトアクロシンは421個のアミノ酸より成り、ブタアクロシンと高い相同性をもっていることがわかった。特に、アミノ末端から75残基までの領域では、両者の間では75%の相同性を示した。アミノ末端の前には、疎水性の強いアミノ酸19残基があり、これは、膜透過の際必要なシグナルペプチドであると推測された。ブタアクロシンで見られた、活性残基ヒスチジン、アスパラギン酸、セリン、及びシステイン残基、N結合型糖鎖付加アルパラギン残基は、すべて保存されていた。カルボキシル末端付近には、プロリンに富む領域を有し、この領域をコ-ドする配列中にはcccccAを基調とする繰り返し配列が見出された。以上の結果から、ヒトアクロシンは、ブタアクロシンと同様に、各々、アミノ酸23個、379個から成る軽鎖と重鎖から構成されていることが考えられた。 ヒトアクロシンを、ヒト由来の他のセリンプロチア-ゼと比較したところ、アミノ酸24残基から270〜290残基の間の領域で、30〜53%の相同性が見られた。カルボキシル末端側の領域では、他のセリンプロチア-ゼとの相同性は見られなかった。
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[Publications] Tadashi Baba: "Activation of Boar Proacrosin is effected by processing at both N-and C-terminal portions of the zymogen molecule" FEBS letters. 244. 132-136 (1989)
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[Publications] Tadashi Baba: "Primary structure of human proaccosin deduced from its cDNA sequence" FEBS letters. 244. 296-300 (1989)
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[Publications] Tadashi Baba: "Proacrosin activation in the presence of a 32kDa protein from boar spermatozoa" Biochemical and biophysical research communications. 160. 1026-1032 (1989)
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[Publications] Tadashi Baba: "Activation and maturation mechanisms of boar actosin zymogen based on the deduced primary structure" The journal of biological chemistry. 264. 11920-11927 (1989)