1988 Fiscal Year Annual Research Report
植物プロテアーゼインヒビター遺伝子の解析とその利用
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63560075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 哮司 北海道大学, 農学部, 教授 (00011726)
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Keywords | クニッツ型プロティナーゼインヒビター / cDNA塩基配列 / シグナルペプチド / シカクマメ / ゲノムライブラリー / プロモーター |
Research Abstract |
シカクマメ種子中には、少なくとも4種のキモトリプシンインヒビター(WCI-1〜-4)が存在する。最も多量に含まれるWCI-3は精製され、抗血清の作製、アミノ酸配列の決定がなされている。シカクマメの開花後35日目の未熟種子のボリA^+RNAに対するcDNAを発現ベクターλgt11にクローニングし、上記抗血清を用いてWCIcDNAを得た。最長のcDNAは762塩基よりなり、それがコードする207アミノ酸からなるペプチドのうち、N末端から25盤目からC末端までの183アミノ酸からなる配列は、WCI-3のアミノ酸配列と完全に一致した。N末端の24アミノ酸からなる領域は、インヒビター前駆体の液胞への移行に関与するシグナルペプチドと推定されている。 シカクマメDNAのEcoRI断片について、λgt11ベクターを用いてゲノムライブラリーを作製した。WCI-3cDNAをプローブとして、WCIゲノムクローンを3種(WBG-2〜-3)得た。WBG-2は、WCI-3cDNAと比較して塩基配列で92.1%、アミノ酸配列で92.3%のホモロジーをもち、インヒビターの反応部位およびS-S結合を形成するシステインの位置にも変化がないことからWCI遺伝子と推定されるが、WCI-3の遺伝子ではないと推測される。WBG-3は、その塩基配列およびアミノ酸配列ともに、5'末およびN末端側はWCI-3とほとんど一致するが3'末およびC端側は全く異なる配列であった。WBG-1は、その塩基配列から偽遺伝子と推測される。 インヒビターcDNAを植物細胞中で発現させることにより耐虫性を付与するために植物細胞中で高い活性を示すプロモーターが必要である。カリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモーターを種々改変し、β-グルクロニダーゼ遺伝子をレボーター遺伝子とし、強力なプロモーターを構築する実験を進めている。
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Research Products
(1 results)